最愛の家族が相続を機に不幸にならないために「相続させる方(親)」が適切にある程度時間をかけて準備をしないといけません。
こちらのコラムでは、家族を幸せにする相続にするための準備を「相続準備」と呼ぶことにします!
最初の相続準備は、「現状把握」です。
相続準備をするにあたって、財産の状況、相続人の状況、相続税課税の有無など、現状がどうなっているのかを把握することが最初にやるべきこととなります。
相続準備の準備体操的なものではありますが、非常に重要な事柄となります。この現状把握が適当だとこの後の準備が意味のないものになったり、効果的な機能を有さなかったりしますので現状把握は適正に、じっくり取り組みましょう!
それでは、現状把握について順番に確認していきましょう。
1. 財産の把握
不動産、有価証券、預貯金、生命保険など財産には様々な種類がありますが、一つ一つ資料を集めて評価していきます。最後にそれぞれの財産を合計してご自身の財産の合計を把握します。
①不動産
土地や建物が該当しますが、こちらを評価する上で最初に確認したい資料は、「固定資産税の課税明細書」となります。毎年5月や6月頃に市役所や都税事務所から送られてくる資料です。
建物については、この課税明細書の固定資産税評価額や価額と記載されている金額をそのまま使います。
土地については、固定資産税評価額の1.14倍で簡易的に評価しても良いですが、国税庁の路線価に課税明細書に記載されている地積を乗じて計算したほうがベターです。
また、賃貸物件やその敷地については評価減があったり、広大な土地や形の悪い土地についても別途評価減の規定がありますので、ご自身では評価が難しい場合には、相続税専門の税理士に相談して算出してもらいましょう。
②有価証券
上場株式、投資信託等については、四半期に一度程度送られてくる証券会社の運用レポート等の金額にて評価しましょう。
非上場株式を保有されている場合には、評価が難解なので税理士に評価をお願いしたほうが良いでしょう。
③預貯金
通帳の残高を合計すれば良いでしょう。
家族名義のものでも実質的にご自身で管理しているような口座については、名義財産としてご自身の財産に含める必要がありますので注意しましょう。
④生命保険
基本的には、ご自身が被保険者になっているものは死亡保険金額で評価し、ご家族が被保険者になっているものは解約返戻金等で評価することとなります。
こちらも複数契約があってややこしくなっている場合には税理士等に評価は任せてしまいましょう。
上記以外にも金銭的な価値のあるものは全て財産に含めることになります。また、借入金等の債務については別途まとめておきましょう。
2. 相続人の把握
正確には戸籍等で把握することとなりますが、通常のご家庭の場合には、現状把握でそこまでする必要はありません。
基本的には下記ルールで考えてください。
①子供がいる場合
配偶者(妻や夫)とその子供が相続人
②子供がいない場合
配偶者と両親が相続人
もし、両親が両方共亡くなっている場合には、配偶者と兄弟が相続人
また、相続人以外にも財産を残したい人がいる場合には、それも書き留めておきましょう。
3.相続税の有無の確認
相続人の数に応じて非課税枠が異なります。
3,000万円+法定相続人の数✕600万円
が非課税枠です。
例えば、相続人が上記2で妻と子供2人だったとします。この場合には4,800万円が非課税枠であり、この4,800万円を超えてくると原則相続税がかかります。