借り換え後は住宅ローン控除は当然には使えない
まず整理しておきたいのですが、借り換え後の住宅ローンは当然には住宅ローン控除の
対象にはなりません。
理由は簡単です。住宅ローン控除の対象となっていた住宅ローンは借り換えにより
完済扱いとなっており、住宅ローン控除の対象となる住宅ローンがないからです。
しかし、この説明に納得する方は少ないでしょう。それは当初の住宅ローンと継続性が
あるからです。
そこで国税庁は以下の条件を満たす借り換え後の住宅ローンに限り、住宅ローン控除の
再適用が出来ると定めました。
①新しい住宅ローンが、当初の住宅ローンの返済のためであること
②新しい住宅ローンが10年以上の期間など、新しい住宅ローンだけで住宅ローン控除の
要件を満たすこと
借り換え後の住宅ローンが①に該当することは明らかなので、①は問題ないでしょう。
②の新しい住宅ローンだけで、住宅ローン控除の要件を満たすことには注意する必要があります。
例えば、借り換え前の住宅ローンの返済期間が10年で住宅ローン控除の要件を満たしていても、
借り換え後の新しい住宅ローンの返済期間が5年しかない場合、新しい住宅ローンは住宅ローン
控除の対象にはなりません。
実際には35年返済で5年目に借り換えを行い、新しい住宅ローンが30年返済となるなど
10年の要件はクリアできると考えられますが、当初の返済期間が短い人は注意する必要が
あります。
また最近の借り換え増加に伴って、国税庁が厳しくなっているのが借り換え後の
住宅ローンの正しい按分計算です。
例えば、借り換え前の住宅ローンの年末残高が2,500万円あったとしましょう。
ここで借り換え後の住宅ローンが2,500万円以下であれば問題ありませんが、
諸費用などを借り、新しい住宅ローンが3,000万円に増加したとします。
そして、新しい住宅ローンの年末残高が2,800万円になっていた場合、
勤務先に提出する住宅ローンの計算書は以下のような按分計算が必要です。
住宅ローン控除の対象額
2,800万円×(2,500万円÷3,000万円)=2,333万円
つまり住宅ローン控除の対象額は、従前の対象額より増加することはないのです。
この按分計算は国税庁が会社の総務担当者などに指導するなどしていますので、
銀行から送られてきた残高証明書だけを送っても指導を受ける可能性があります。
借り換えで借入額が増加した人は十分注意して下さい。
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