11月にパリ協定が発効され、低炭素社会をめざして国内でも厳しい目標への取り組みが求められています。
具体的にはCO2の削減のために省エネや再生可能エネルギーの利用を企業だけではなく
家庭で、個人で使用するエネルギーの削減を本気で考える、ということです。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(ZEH)として
補助金の制度があり、要件を満たすことで適用される制度です。
個人で多くのエネルギーを消費する場所でもある住まいで、省エネだけでなくエネルギーを創り出し、
利用したエネルギーと、創り出したエネルギー量が同じかそれ以上であればプラスマイナスゼロになる
という住まいづくりをサポートする制度ですが、
たとえば昼間は太陽光発電など住宅に設置した発電システムで発電し、
余剰分はストック。夜間は安価な深夜電力を利用します。
自宅で発電した電力は国が買い取る、という制度で太陽光発電システムなどの家庭への導入が促進されてきましたが、
電力の買取はあくまでも期間限定です。今後は余剰電力の活用を促されることが予想されます。
しかし余った電力の買取がなくとも、停電や災害時など非常時のバックアップ電源としても心強く、
そうした意味合いからはこのZEHを建てよう!と考えるのは災害大国ではおすすめしたいことのひとつです。
ただし「制度での補助金申請が必ず採択されて補助金が出る」とは限りません。
施工会社も採択されるように申請手続きを協力してくれますが、
その申請が必ず認められるものではないということなのです。
エネルギーを生み出し、ストックする住まい、には設備投資としての費用も従来の一般的な住宅よりかかります。
どのようなシステムを選ぶのか、そのコストに見合った今後の生活スタイル、生活設計はできているのか。
暮らし方、としっかりと考えてこのZEHを選んでいただきたいのです。
このネット・ゼロ・エネルギーハウスで注目すべきとされる強化外皮基準ですが、
この基準を満たすことも制度の要件となっています。地域によってもこの基準は異なります。
実際に建てた方の感想からは多く聞かれたのは家の中の温度差が小さくなったこと、
エアコンなどの使用時間が少なくなったことがあげられています。
年間の光熱費や建物内の温度差がないことによる安全性(ヒートショックを避ける、など)という視点からも
長寿の国で長く暮らすための住まいだからこそ、あるいはずっと先の将来を見据えた投資を視野に入れて
住まいづくりを考えていく必要があります。