不動産を相続する時にはきちんと手続きしよう



◎不動産の所有者名義を変更する

不動産を相続した際に必ずしなければならないことですが、これを放置すると後々面倒なことになるでしょう。
たとえば、名義変更をしないまま次の世代にまたがった場合、その相続権は孫やひ孫に及んでしまいます。
そうなった状態で相続の為の名義変更をしようとすると相続権を持っている親族全ての同意が必要になり、

場合によっては裁判所に届けなければならなくなるといった事態もあり得るでしょう。

相続人が多くなることによって、弁護士に介入してもらわなくてはならなくなることもあります。
そのため、できるだけ早いうちに名義変更をしておかなくてはなりません。

・名義変更に必要な手続き

不動産の名義変更を行う手続きは、相続登記を変更することになりますが、この場合に必要な書類として

「遺産分割協議書」が必要になります。
これは、相続対象となる親族で話し合いや電話、メールなどで確認を行う必要があり、相続対象者全員の

同意の上で作成する書類です。
書式は決まった形はありませんが、誰がどのように相続するかを明記し、相続人すべての同意があったこ

と(実印の押印)が記されている必要があります。
話し合ったことが相続人すべての総意であることを示す「相続人全員で協議した」という文言は必ず入れて

おきましょう。
また、相続人が他にもいたという事態になった場合には、せっかく作成した協議書が無効になってしまうの

で、戸籍謄本などできちんと相続人を確認しておく必要があります。

協議書が出来上がったら、相続登記申請書を作成します。これは、白紙の状態から作る必要がある書類で、

少々手間取ってしまうかもしれません。
法務局に申請書のひな型が公開されているので、参考にしながら書いていくのがオススメです。
申請書が出来上がったら、法務局に書類を提出します。その後、1~2週間程度で新しい権利証が送られて

きますので、これを以って名義変更手続きは終了です。

・その他申請に必要な書類

上記では省きましたが、他にも準備しなければならない書類がいくつかあります。

1.被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
2.被相続人の住民票の除票
3.相続人全員の印鑑証明書
4.相続人全員の住民票
5.不動産の固定資産評価証明書
6.不動産の全部事項証明書
7.遺産分割協議書

一番面倒なのが1.の死亡した本人にかかるすべての戸籍謄本の取り寄せです。
引越しなどで転籍が多い場合、その都度管轄の自治体から取り寄せをしなければなりません。

・名義変更に必要な経費

1.法務局に納める登録免許税
 固定資産評価額合計 × 0.4%の金額を支払わなければなりません。
2.登記事項証明書
 不動産1個につき600円となっています。
3.戸籍謄本類の発行手数料
 本人や相続人全員分を合わせると数千円程度かかります。
4.郵便代
 郵送での送付や親族とのやり取りなどでかかってきます。

極端な話で言えば、名義変更をせずに放置しても法的には問題ないのですが、後々面倒な問題の種となってしまい、
最終的には相続そのものができなくなってしまうこともあり得ます。

面倒かもしれませんが、きちんと名義変更の手続きをしておきましょう。

 
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