給付金需給に必須!Go To トラベル事業の利用者が遵守すべき事項

カピバラ好き行政書士 石井くるみさんが民泊を始めとした宿泊関連ビジネスの最新情報を紹介します。身近なレジャー施設のルールについて紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

今や日本の経済を支える重要な産業である観光産業は新型コロナウイルス感染症による深刻な影響を受けています。そこで、観光産業を回復し、日本経済を元気にすることを目的として行われているのがGo To トラベル事業です。本事業では、宿泊・日帰りの国内旅行代金総額の1/2相当額が国から支援される事業者、旅行者どちらに嬉しい内容となっています。(給付額の内訳は、70%が旅行代金の割引に、30%が旅行先で使える地域共通クーポンとして付与されます)。

当初、コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、適用が除外されていた東京都民も10月1日から対象となるため、観光産業の回復を牽引すると期待が寄せられています。

もちろん、「新しい生活様式」に基づくウィズコロナの時代における旅行は、安全・安心であることが大前提となります。そこで、観光庁はGo To トラベル本事業に参加する事業者に対して参加登録の申請の際に「参加条件」を満たすことを要求しています。遵守事項に協力しない場合には、Go To トラベル事業の利用が認められず、登録を取り消しや給付金の返還を請求されることがあります。特に旅行者から協力を得られなかったために宿泊事業者が事務局から受け取った給付金の返還を求められた場合、旅行者から回収ができずに、結局は事業者が負担することになる可能性があるので、民泊・旅館業を営む事業者は注意が必要です。

<Go Toトラベル遵守事項>

1.旅行時は毎朝、検温等の体温チェックを実施し、発熱がある場合や風邪症状がみられる場合には、保健所の指導に従うこと。また、スマートフォンを利用者は接触確認アプリを利用すること。 

2.旅行中には、「新しい旅のエチケット」すること。宿泊施設のみならず、旅先のあらゆる場面で3密が発生する場や施設等は回避し、大声を出すような行為も控えること。 

3.宿泊施設等では、チェックイン時の検温、旅行者の本人確認、浴場や飲食施設での3密対策の徹底、食事の際の 3 密の回避すること。特に本人確認は、同行者も含め全ての参加者について実施する。

4.検温の際、37.5 度以上の発熱がある場合には、各施設が定める客室等に待機し、保健所の指示を仰ぐこと。宿泊施設等の従業員の指示には必ず従うこと。 

5.若者の団体旅行、重症化しやすい高齢者の団体旅行、大人数の宴会を伴う旅行は一般にリスクが高いため、実施する場合には着実な感染防止対策が講じること。

宿泊事業者が特に留意すべきことは、チェックインに際して旅行者全員に検温と本人確認を実施することと、施設の三密対策の徹底や消毒・換気を徹底すること。

本人確認に関しては、次の書類などで確認を行います。

○1点で本人確認書類として認められるもの:1枚で氏名及び住所、写真が確認できる書類

例)

マイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書、旅券、在留カード、

特別永住者証明書、海技免状等国家資格を有することを証明する書類、

障害者手帳等各種福祉手帳、船員手帳、戦傷病者手帳、官公庁職員身分証明書 等

○上記書類を持っていない場合は、以下に掲げる①と②の書類のうち、①を二つ又は①を一つ及び②を一つの組み合わせであれば、氏名及び住所が確認できる書類として提示可能

例) 

①健康保険等被保険者証、介護保険被保険者証、年金手帳、年金証書等

 ②学生証、会社の身分証明書、公の機関が発行した資格証明書等

 

※ 中学生以下の子供であって、上記の書類がそろわない場合、本人の健康保険証と法定代理人の本人確認書類(運転免許証、旅券等)で代用可能

書類が整わない場合、後日、宿泊施設に対して写しを郵送等することなど、本人確認は徹底して行う必要があります。旅行前の予約時に代表者の居住地を確認し、旅行者に対して、マイナンバーカード、運転免許証、パスポート等の「代表者及び同行者全員の居住地が確認できる書類」を旅行当日に携帯してもらうよう依頼、同書類を旅行当日、宿泊施設にて示してもらいましょう。

Go To トラベル事業の実施に当たっては、感染拡大防止と観光振興の両立を図ることが重要です。セルフチェックインの無人施設においても例外ではありませんので、ICT機器等を活用した「旅行者の本人確認」と「検温」は実施を徹底するようにしましょう。特に10月1日より以前の旅行においては東京都が対象外とされているため、居住地の不正申告が発覚した場合には、詐欺罪などに問われる可能性があります。

正しくルールを守り実施されるGo To トラベル事業により、安全と安心を確保した中で観光産業の再生につながっていくことを期待しています。

 
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