旅行代金の1/2が補助されるGo Toトラベルキャンペーン!
民泊などの宿泊施設事業者が給付金を受け取るためには?

カピバラ好き行政書士 石井くるみさんが民泊を始めとした宿泊関連ビジネスの最新情報を紹介します。Go Toキャンペーンについて紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=奥入瀬渓谷(写真AC)

「旅で日本を元気にしよう」を合言葉にはじまったGo Toトラベルキャンペーン。観光産業は、旅行業や宿泊業のみならず、貸切バス、ハイヤー・タクシー、レンタカー、フェリー、飲食業、物品販売業など、裾野が非常に広く、多くの地域の地方経済を支える重要な産業ですが、新型コロナウイルス感染症発生直後より、大変深刻な影響を受けています。

Go To トラベル事業は、多種多様な旅行・宿泊商品の割引と、旅行先の土産物店、飲食店、観光施設、交通機関などで幅広く使用できる地域共通クーポンの発行により、感染拡大により失われた観光客の流れを地域に取り戻し、観光地全体の消費を促すことで、地域における経済の好循環を創出する事業です。

Go To トラベル事業では、宿泊を伴う、または日帰りの国内旅行の代金総額の1/2相当額を国が支援する事業で、給付は、70%は旅行代金の割引に、30%は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与されます。

旅行代金割引のみ第1弾は、2020年7月22日(水)から出発の旅行が対象となっており、8月17日よりすでに還付金の申請手続きも始まっています。国土交通省は、割引商品の販売を始めた7月27日から8月20日で、少なくとも延べ約420万人が利用したと発表しました。旅行代金割引と地域共通クーポンが付与される第2段は、9月以降出発の旅行が対象となっており更に充実した内容です。

(旅行代金割引と地域共通クーポンの例)

ひとり40,000円の1泊2日の宿泊付き旅行を申し込んだ場合、14,000円が旅行代金割引、6,000円が地域共通クーポンとして合計20,000円が付与され、旅行者の支払額は26,000円となります。

ひとり20,000円の日帰り旅行を申し込んだ場合、7,000円が旅行代金割引、3,000円が地域共通クーポンとして合計10,000円が付与され、旅行者の支払額は13,000円となります。

現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、「東京都を目的地する旅行」、及び「東京都に居住する方の旅行」は当面、Go To トラベル事業の対象外とされていますが、Go To トラベル事務局は8月20日、全国で開催予定のGo To トラベルキャンペーンの「地域共通クーポン制度説明会」について、東京都内でも説明会を開催することとなりました。今後の情報更新をこまめにチェックしましょう。

では、ホテルや民泊を運営する宿泊事業者がGo Toトラベル事業を活用して給付金を受け取るにはどのようにしたらよいのでしょうか?

Go Toトラベル事業への申請手続きについて説明します。

【対象となる宿泊事業者】

・旅館業法第2条第1項に規定する旅館業(下宿営業を除く。)を営む施設

・住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)第3条第1項の届出に係る住宅

・国家戦略特別区域法の認定を受けた事業を営む施設

ホテルや旅館を営業する旅館業の許可を受けた施設だけではなく、180日の新法民泊の届出や特区民泊の認定施設も対象となります。

【給付金の申請方法】

宿泊事業者が給付金を申請する方法としては、以下の3つのパターンがあり、各パターンごとに、申請・登録方法が異なります。

<パターンA>

旅行会社・予約サイトからの予約のみを取り扱う場合

Go To トラベル公式サイト(こちら)から、給付金対象商品の対象施設になり、且つ、地域共通クーポン配布箇所になるための施設情報の登録申請を行う(郵送での登録申請も可能)。

給付金の申請・管理は不要です。

<パターンB>

直接販売で、給付金申請を第三者機関を経由せずに宿泊事業者が給付金の申請を行う場合

Go To トラベル公式サイトから、給付金対象となる商品の提供及び給付枠の配分を受けるための口座情報、給付枠申込書、販売計画書、施設情報等の申請を行う(郵送での登録申請も可能)。給付金の請求にあたり、登録された「第三者機関」が管理する予約・販売の記録が必要となる。

<パターンC>

直接販売で、宿泊事業者が第三者機関を経由して給付金の申請を行う場合

Go To トラベル公式サイトから、給付金対象となる商品の提供及び給付枠の配分を受けるための口座情報、施設情報等の登録申請を行う(郵送での登録申請も可能)。

給付金の申請にあたっては、登録された「第三者機関」によって予約・販売の記録が管理されるので、改めての提出は不要となる。

「第三者機関」とは、宿泊事業者が直接受けた予約記録を宿泊施設の外部で管理できるシステムや団体を指し、当該記録を宿泊の事実を裏付けるものとして事務局に提出できる機関を指します。予約システム事業者、直販支援ポータルサイト、観光協会、DMO、温泉組合等がこれにあたります。

宿泊事業者が、旅行者からの直接予約を給付対象とする場合は、宿泊事業者が直接給付金の申請を行う場合(パターンB)と、宿泊事業者が第三者機関を経由して、給付金の申請を行う場合(パターンC)の2つパターンがありますが、いずれの場合も登録された第三者機関の利用が必要です。

民泊事業者や中小規模のホテル事業者は、特段施設の公式ホームページを持たず、airbnbやBooking.com等の宿泊予約システム(OTA)経由でのみ宿泊予約を受ける「パターンA」が多いと考えられます。「パターンA」の場合は、情報登録のみでその他の事務手続きはOTA側で行ってもらえるので非常に便利です。ただし、自社が利用しているOTAがGo Toトラベル事業に参加していない場合は利用できません。

JTBやHIS、ネット予約のじゃらん、楽天トラベル、Booking.comは対象となっています。参入を検討していた民泊仲介大手のairbnbも8月24日に参加を決定しました。Go Toトラベル事業の活用を検討する宿泊事業者は、まず利用しているOTAが事業に参加しているかどうかを確認しましょう。参加している場合は、Go To トラベル公式サイトから情報登録を行うことで簡単に参加可能ですので、積極的に活用しましょう。

 
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