毎週月曜配信「石井くるみの みんぱく!最前線」

今回は、カピバラ好き行政書士 石井くるみさんが、京都市が新たに検討している「宿泊税」を解説します。(リビンマガジンBiz編集部)


(画像=写真AC)

先日8月7日、京都市の有識者委員会が、観光客に課す「宿泊税」の導入を提案する答申書を、京都市の門川大作市長に提出したと報じられました。

課税対象となるのは、ホテル・旅館に加え、民泊や簡易宿所を含むすべての宿泊施設とされています。答申に対し、門川市長は、「早急に制度設計を進める」と述べました。9月市議会に条例案を提出する意向を示したということで、早ければ2018年度にも導入されることになりそうです。

制度がスタートすれば、京都市内のホテルや民泊施設の宿泊者は、宿泊料金とは別に、宿泊税を支払う必要があります。

宿泊税は、都市の魅力を高めるとともに、観光振興のための事業(旅行者に分かりやすい案内標識の整備や、観光案内所の運営、観光情報の提供、観光プロモーションなど)の経費に充てるため、地方公共団体が独自に課税する法定外目的税です。

税金を払う立場として、「増税」と聞いて良いイメージはあまりないですが、集められた税金を適切に使ってもらうことは大切なことだと思います。旅行をすれば、道を歩き、公共トイレを使い、観光案内所で観光情報や地図を利用します。外国人の旅行者向けには外国語の案内表示や資料があれば喜ばれますし、フリーのWi-Fiが街に整備されれば便利です。

同様の宿泊税の導入は、既に東京都と大阪府で導入されています。少し違うのは、たとえば東京都では対象がホテル・旅館のみとなっており、簡易宿所や大田区の特区民泊(外国人滞在施設経営事業)に宿泊した場合は、宿泊税はかかりません。

東京都では、都内のホテルまたは旅館に宿泊した場合に、1人1泊あたりの宿泊料金が1万円以上の場合に課税されます。ツインルームなどの1室に2人以上で宿泊する場合には、1人当たりの宿泊料金に換算して判断されます。

宿泊料金(1人1泊)

税率

1万円未満

課税なし

1万円以上~1万5千円未満

100

1万5千円以上

200

ところが、京都市では、課税対象を宿泊料金が低額のものを含め、すべての宿泊施設民泊を対象としています。これは全国的にも初めてです。

宿泊料金に比例して税率が上がる制度になる場合、高級リゾートホテルなど高額な施設の利用者にはそれだけ大きな負担となります。修学旅行生などの宿泊については除外するなどの配慮も検討される予定です。


市の試算では修学旅行生を除いて「1人100円」を全施設に導入すると、約20億円の増収になると見込んでいるとのこと。さすが世界的な観光都市・京都!
住宅宿泊事業法の施行や、旅館業法の改正も含め、今後の宿泊業界は大きく変わっていくこととなりそうです。官民それぞれの動きが注目されますね。

 
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