元 国税局職員 くらたです。

好きな本は、『bank book(通帳)』です。

青色申告の特典は、4つあり、前回は2つ説明しました(65万円の控除と専従者給与)。

あと、2つです。

こちらは少し難解です。

関係ない方も多いです。

でも、大事。

(3) 貸倒引当金

国税庁は、次のようにいっています。

「事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者で、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費として認めるというものです。なお、貸金のうち、貸倒れその他これに類する一定の事由による損失の見込額については、それぞれの事由に応じた限度額までを、貸倒引当金勘定に繰り入れることができますが(個別評価)、その際必要経費に算入された金額の計算の基礎となった貸金は一括評価を行う帳簿価額の合計額から除かれます」

解説すると、

事業をおこなっていると、売掛金が発生します。

(売掛金を簡単にいうと、商品を売ったけどお金を月末などにあとでまとめてもらうことにしたときに、まだもらってないお金のこと)

売掛金は、たまに回収できないことがあります。

逃げる人もいるでしょうし、相手の会社や事業が潰れてしまうこともあるでしょう。

そうなると、売掛金はもらえませんから、商品を渡したぶん、損します。

そういうのを「貸し倒れ」といいます。

「貸倒引当金」は、12月31日時点の売掛金や貸付金の一定額を、経費にできる制度です。

ちなみに、経費にした分は、翌年の収入となります。



(4) 純損失の繰越しと繰戻し

国税庁は、次のようにいっています。

「事業所得などが赤字の場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除します。


また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます」


小難しいですが、シンプルです。

「赤字を3年間繰り越せるよ。前の年が黒字から、遡って、相殺できるよ」と、いってくれています。

有り難いですね。




青色申告の特典は、以上となります。

お役に立てたら幸いです。






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