住宅売却を考える際、気になることが「リフォームをしてから売った方がいいの?」という点です。古びた外見のまま売却するよりは、見栄えのよい状態にするほうが、買い手がつきやすいイメージはあるでしょう。

しかし、中古住宅の購入を考える人の本当の不安は、「見栄え」だけではないのです。

国土交通省の調査「中古住宅流通、リフォーム 市場の現状」によると、中古物件を購入しない人の理由として
・新築物件よりも問題が多そうだ(32.8%)
・性能がよく分からない(12.0%)
・条件のよいローンを組みにくい(12.0%)
などが挙げられています。

この秋、中古住宅に関する「性能」面での不安を解消することに役立つ新商品が登場します。

住宅金融支援機構は、平成28年10月1日から【フラット35】リノベの取扱をスタートします。【フラット35】リノベとは、性能向上リフォームによって住宅性能を向上させた中古住宅を取得する場合に【フラット35】の借入金利を一定期間引き下げる制度のことで、
1.利用申込者が中古住宅を購入して性能向上リフォームを行う場合
2.住宅事業者によって性能向上リフォームが行われた中古住宅を購入する場合
のいずれかに適用されます。
なお、性能向上リフォームとは、省エネルギー・耐震性等の住宅性能を一定以上向上させるリフォーム工事のことを指します。

買い手にとっても嬉しいこの制度ですが、実は中古住宅を売却する予定の人にもメリットがあります。
【フラット35】リノベの登場により、中古住宅に対して買い手が抱きがちな性能面での不安を解消でき、良い条件でローンを利用できることになれば、買い手がつきやすくなります。

急な転勤や家庭の事情などで住宅の売却を急いでいるのにも関わらず、「売却前にリフォームをしてからでないと、買い手がつかないのでは?」と、時間や費用の心配をする売主の皆さんにも、「リフォームは買い手や住宅事業者に任せる代わり、安い価格で売却に出す」という選択肢が生まれるのです。

これからは、「リフォームしなければ売れない」という思い込みは必要ありません。購入希望者に【フラット35】リノベや、既存の【フラット35(リフォーム一体型)】などを利用してもらい、「これから住み続ける家は、住み続ける人にデザインしてもらう」という考えが、大切になるでしょう。

 
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