このシリーズもいよいよ最終回となります。

前回から続き、中企業編の2回目です。今回は中規模企業と大企業と比べた場合を考えてみましょう。大企業とは大手不動産会社を言いますが、メリットも多い反面、様々なデメリットもあることを以前お話ししました。(本シリーズその1~3参照)

ここで中規模会社の定義を再度おさらいしておきます。
中規模の不動産会社とは、社長さん以下、社員数名から数十名までの規模と定義します。小規模会社よりは少ないですが、全国チェーンの大規模会社よりは、はるかに数が多く、地域に1社から数社といったところです。駅前の一等地に面していることも多いことから、お客さんの出入りも多く、にぎわっている雰囲気が特徴の会社です。

■大規模不動産会社のデメリット

●デメリット
①入居後の管理面が弱い
②マニュアルに沿った対応になるため融通が利かない

では中規模会社はどうか

大手ではデメリットとなっていた管理面と融通の利き具合について考えてみます。

①管理面について
中規模会社は、管理面はかなりきめ細やかに、しっかり見てくれる場合が多いです。大手の場合、ブランド力を生かした募集=営業に力を入れがちです。仲介手数料を稼ぎ、入居者を決めてナンボに偏りがちで、手厚い管理ができていない企業もあります。

しかし、中規模会社の場合は、自社で管理も手掛けていることが多いです。極めて責任感が強く、きちんと当事者意識をもってやってくれます。入居者の滞納やクレームがあったとしても、他人任せにせず、担当者が最後まで面倒を見てくれる場合が多いです。よって問題解決力も強く速いのです。きちんと家主と入居者の間に入ってお互いの意見や意向を汲んで調整してくれるので、しこりも残らずすっきり終わることが多いのです。

②融通の利き具合ついて
大手は、全国統一のマニュアルをもとに業務を行っています。ですので、どうしても地域や個々の事情に応じた問題にきめ細やかに対応することができない場合があります。「会社の決まりでできないんですよね」となることも少なくありません。もちろん中規模会社においても社内の決まりはあります。しかし、わりと融通を効かせてくれることも多いのです。たとえば、入居者の特性や、地域の実情に応じた特約を盛り込んでくれる場合などがあります。このように融通を効かせてくれるところは、地元地域で完結している中規模会社ならではの、メリットと言えます。

以上、小規模会社や大手と比較した場合の中規模会社の特性を見てきました。大小規模のデメリットを程よく緩和し、地域の実情にあった募集・管理をしてくれるのが特徴です。

多くの場合、地域一番店であったりもします。信頼があり、集客力もあり、また責任をもって入居者も決めてくれるため、あとあとのトラブルも少ないです。こんな地域一番店が、実は私の一番のお奨めの不動産会社なのです。皆さんの地元にもきっとあると思います。

●駅前に立地して、人の出入りが多くにぎわっている
●地域で一番または二番手、三番手くらいまでの管理戸数を持っている
●社員の感じが良く、きちんと親身に対応してくれる

このような要件がそろっていれば、まず間違いありません。管理会社は不動産経営においてなくてはならないパートナーです。ぜひ吟味し納得の上で決めてください。
皆様のよりよい不動産経営をお祈りしております。

さて約一年にわたり連載してきた本シリーズも今回が最終回となります。今までご愛読いただき本当にありがとうございました。途中、更新が遅れてしまったことをお詫び申し上げます。皆様方のご健勝とご活躍を心よりお祈りいたします。ありがとうございました。

 
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