こんにちは、不動産FPの岩渕です。

公示地価が発表されましたね。

今回は公示地価と取引価格の話をします

皆さんよくご存じのように、土地価格の指標としては、固定資産税評価額、相続税路線価、公示地価、があります。

固定資産税評価額は固定資産税を算出するための基礎となる価格で管轄は市町村。相続税路線価は相続税や贈与税を算定する際の基準となる価格で管轄は国税庁。この2つは多くの人が人生において実際に関わる確率が高いものです。自宅を持っている人は固定資産税を払っていますし、不動産を相続すれば相続税算出には相続税路線価を使います。

以上の2つに比べると、公示地価は毎年ニュースになるのに、なぜ必要なのか、一般の人がどう利用するのかちょっと分かりにくいですね。

所轄官庁の国土交通省によると、「地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示(平成28年地価公示では、25,270地点で実施)するもので、社会・経済活動についての制度インフラとなっています。」とありますが、これではよく分かりませんね。

また、その主な役割として5つほど挙げていますが、その中で1番目に挙げられているのが一般の土地の取引に対して指標を与えることとなっています。これだとなんとなくわかる感じがしますね。

それでは、土地取引の指標である公示地価と実際の取引価格はほぼ同じ金額なのでしょうか?

例えば、高額ランキングの首位である東京都中央区の銀座4丁目中央通りにある「山野楽器銀座本店」。ここの2016年の公示地価は1平方メートルあたり4010万円、路線価は3200万円でした。実はこの金額で分かるように公示地価は相続税路線価の概ね1.25倍という関係があります。勘違いがないよう言っておきますと、この公示地価は実際に取引された価格ではありません。

一方、2016年に実際に取引きされた並木通り沿いのある土地は1平方メートルあたり4370万円でした。並木通りは中央通りより裏手にありますので路線価は794万円でした。もしもここが公示ポイントであれば公示地価は794万円×1.25=993万円となるはずです。ですのでここは公示地価の4倍以上で取引されたことになります。(4370万円÷993万円=4.4)

この並木通り沿いの土地は特に高値で取引された事例ではありますが、都心であれば銀座に限らず事業用地(オフィス・店舗・マンション用地)は公示地価より2,3倍で取引されることはよくあります。一方、個人が買う戸建て住宅用地の価格はほぼ公示地価に近くなっています。

なぜでしょうか、次回、お話しします。

 
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