こんにちは、カピバラ好き行政書士の石井くるみです(*’▽’)

秋分の日を迎え、だんだんと日も短くなってきました。

すっかり秋の気配ですね。

前回から、近年急増する『空き家』についてお話ししています。

2013年時点で日本全国に820万戸もある『空き家』。

今後20年でさらに約2,6倍にまで膨れ上がると予測されています。

【空き家急増の原因は!?】


空き家の急増には複数の原因が考えられますが、シンプルな答えは住宅の過剰供給。

住む人(管理できる人)よりも、住宅の数が多くなっていることが問題です。

その背景には、次のようなものが挙げられます。

●高齢化

●人口減少

●住宅ストックの増加

それぞれの背景について、もう少し詳しく見てみましょう。

高齢化社会のイラスト

●高齢化による「空き家」の増加

団塊世代の高齢化が本格化し、高齢化問題が加速度的に進んでおり、

2060年には高齢化率(65歳以上人口割合)は40%程度まで達する見込みです。

持ち家率の高い団塊世代と団塊Jr.。

住宅が供給過多の状態となり、「空き家」の増加も急激に増えていきます。

(ケース1)持ち家を所有する高齢者が死亡 ⇒ 「空き家」

東京に住む夫婦には、住宅ローンを組んで購入した自宅が都内にあります。
実家は県外にあり、職場まで通勤できる距離ではありません。

両親が亡くなった後、住む人がいなくなった実家は、3ヶ月に1度帰って管理するのが精一杯・・・・。

(ケース2)持ち家を所有する高齢者が施設に入居または子どもと同居 ⇒ 「空き家」 

父親亡き後、独り暮らしをしていた母親に認知症の症状があらわれました。

1人で生活させておくのは心配なので、都内に住む子どもと同居することに。

馴染みある実家を処分するのは抵抗があり、処分もできない状態です。

●人口減少

高齢化だけでなく、少子化も「空き家」増加に拍車をかけています。

雇用が都市部に集中していることや、世帯数が増加していることも要因です。

(昔は親子孫3世代同居などが一般的だったが、現代では単身世帯も多い)

(ケース3)兄弟のいない「子」が親の実家を相続 ⇒ 「空き家」 


都市部に暮らす、それぞれ兄弟のいない(1人っ子)夫婦が、「空き家」となった郊外の実家を相続しました。

引退後は懐かしい故郷で生活したいと考えていますが、今は仕事があるので自由に動けません。

年に数度帰り維持管理していますが、それだけでも大きな労力とコストが必要です。

●住宅ストックの増加

空き家」が増加する一方、新築供給も増加しています。

国土交通省の発表によると、平成27年度の新設住宅着工戸数は920,537戸と前年度比4.6%の増加となっています。

少子高齢化で住む人(需要)が減少し「空き家」がどんどんと増えて問題になっているにも拘らず、新しい家が次々と建てられているのです!!

「せっかくなら、都心に近い新しくてきれいな部屋に住みたい」

「相続税対策に、都心のタワーマンションを」

「古い物件では、住宅ローンが借りられない(金融機関の融資が下りない)」

様々な事情から、人々の志向は新築住宅へ。

そして、放置される空き家・・・・

経年劣化が激しい「空き家」は、耐震性の問題や大規模な修繕・リフォームが必要なことがあります。

不便な土地にある「空き家」は、価格が安くしてもニーズがありません。

すべての「空き家」を活用するのは、現実的には限界があるようです。

数を抑制するためには「解体」するしかありませんが、下記の理由により、実際はあまり進んでいない現状です。

・解体にもコストがかかる(100万円程度、規模や構造により異なる)

・税金の問題(固定資産税等)

・相続の問題(複数の共有者がいて、遺産協議分割がまとまらない)

次回では、「空き家」所有者に大きな影響を及ぼす「空き家対策特別措置法」についてお話したいと思います。

 
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