複数のREITに分散投資をしているのがREITファンド

資産運用を考える場合、最も無難な考え方は、1つの資産に集中投資をするのではなく、値動きの異なるさまざまな資産に分散投資をすることです。10年後、20年後の日本経済や世界経済がどうなっているかは、誰にも正確にはわかりません。

将来がわからないからこそ、さまざまな変化に備えてさまざまな資産を保有しておくべきなのです。それが結果的に有利な運用になるのか、不利な運用になるのかは将来になってみないとわかりません。とにかく、資産全体のリスクを低くするためにも、幅広い資産に分散して保有しておくのが無難だと考えられるのです。

そのような無難な運用を考えるのであれば、国内外の債券、株式、不動産、コモディティ(商品)などを幅広く保有しておくべきなので、当然にJ-REITも欠かせない投資対象となります。では、どんな銘柄を選べばよいのでしょうか。

ここでも基本は幅広い分散です。J-REITの個別銘柄のなかからどれか1つに絞り込もうとするのではなく、まずはJ-REITの複数の銘柄に分散投資をしているREITファンドあたりを検討すべきでしょう。

平成29年1月末現在、J-REITは57銘柄が取引所に上場されて取引されていますが、その57銘柄すべてを組み入れて運用しているファンドや、一部の銘柄をピックアップして運用しているファンドなど、REITファンドも種類は豊富で、現在90ファンドほどが販売されています。

なかには、運用方針としてブラジル・レアルに対する為替ヘッジを行うことで、投資対象はJ-REITでありながらブラジル・レアル建てで運用する効果も得られるようになっているファンドも存在しています。リスクの高さやコストの高さから、個人的にはあまりオススメしませんが(^^;

◆国内REITファンド純資産総額上位10銘柄(平成29年2月27日現在)

(出所:モーニングスター投資信託検索)

選ぶ際にはコスト負担の軽いものを

とはいえ、個別のJ-REITに投資をする場合に比べれば、REITファンドのほうが多少なりともリスクは低くなっていると考えられます。J-REITの個別銘柄だと、最悪の場合、そのREITである投資法人が破綻して、投資資金がほとんど戻ってこなくなる可能性もゼロではありません。しかし、REITファンドであれば、複数の銘柄に分散投資をしている分、仮に、組み入れているJ-REITが破綻したとしても、ファンド全体に与える影響は、20分の1や30分の1程度にとどまるはずだからです。

投資経験がほとんどない初心者はもちろんのこと、その他、運用資金がそれほど多くはない人にとっても、銘柄によっては1万円前後の資金から複数のJ-REITに分散投資できるREITファンドは、とても魅力的なファンドだといえるでしょう。なお、実際にファンドを選ぶ際には、コスト負担の比較的軽いものを選ぶのがより無難です。

 
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