史上最低の金利水準が続いています。

日銀は3月16日の金融政策決定会合でも金融緩和策の維持を決定しました。

そこで気になるのが、金利の低い今のうちに住宅を購入した方が良いのでは?という問題。
早く買わないと、金利が上がってしまうとたいへんなことになってしまう!
不動産会社や建築会社の営業からはもちろん、金融機関の低金利ローンのポスターにも煽られます。

確かに住宅を購入する人の多くは、住宅ローンの借入をします。
当然借りる人にとっては金利が低いことはプラスになります。
そこで「低金利」という言葉にとても敏感になります。
でもそれだけで本当に今が買い時と言えるのでしょうか?

住宅を購入するタイミングには金利水準意外にも多くの要素が影響します。
その中で、購入者により重要度は異なると思います。

〇家族構成(子どもの数、親との同居予定の有無)
〇夫の年齢、妻の年齢(借入期間に影響)
〇子どもの年齢、学校(入園・入学のタイミング、公立・私立の希望)
〇年収
〇勤続年数
〇社宅、社員寮の退去時期、家賃補助の打切り時期
〇勤め先の転勤事情(国内、海外転勤あり? 転勤の頻度)
〇妻の働き方(正社員、パート、派遣、専業主婦‥)
〇親の支援(住宅資金贈与その他の援助)
〇金利水準
〇自己資金
〇物件の巡り合わせ(新築物件の供給、中古住宅の流通) 
〇地価水準、建築費の水準(需給状況による人手不足や人余り、建築材料費の変動)
‥‥


例えば、今だったら3,000万円の物件が買えるけれど、
3年後なら年収も上がり自己資金も増えるので、少し金利が上がっても4,000万円の物件が買えるかも知れません。

またせっかく購入しても、転勤の多い会社の場合、
せっかくの新居が空き家や賃貸になってしまうかも知れません。

肝心なのは、購入者にはどのような希望や制約があり、
またその中で重視することは何なのかということです。

もちろんひとつだけではありません。
金利水準もいくつかの要素のひとつなのです。

因みに私は今よりも金利がかなり高い時期に住宅を購入しました。
購入当時(26年前)は住宅金融公庫(フラット35の前身)の金利が5.4%、社内融資の金利が3%でした。
その後景気も悪化し金利もどんどん低下してきたので、途中借換えを何回か行ったことにより、
平均借入金利も大幅に下がり、結果的には当初の借入期間を大幅に短縮して完済できました。

ということは、仮に購入時に金利が高くても、長い返済の間に調整するチャンスはあるということです。
反対に、金利が低い時に借入をしても、フラット35のような全期間固定金利型以外の変動型や固定特約型の住宅ローンは、
途中で借入金利が上がるリスクを持ち続けるということです。

結局一番のタイミングは「その人が買いたい、かつ、良い物件が買える時」なのです。

確かに金利は重要な要素の一つです。
でも、くれぐれも金利の低さだけで焦って後で後悔しないよう気をつけましょう。

 
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