新建新聞社と住宅テック7社(コンベックス:東京都渋谷区、リフィード:福岡市、タウンライフ・東京都新宿区、スペースリー:東京都渋谷区、iYell:東京都渋谷区、ダンドリワーク:滋賀県草津市、リブ・コンサルティング:東京都千代田区)は、住宅業界の従事者500名を対象に「住宅業界のDX推進状況」に関する調査を実施した。
アンケート調査では、住宅関連業の従事者500名のほぼ100%が「DXを推進するべき」という結果だ。
割合を集計したところ、DXを推進するべき(35.9%)が一番多く、「状況に合わせて推進するべき」(35.3%)が2番目に多かった。「強く推進するべき」(27.5%)と合わせて回答者の98.6%が「推進すべき」と考えているようだ。
企業に、DXに取り組んでいるかを聞いた質問では、7割弱にあたる67.8%が「現在DXに取り組んでいる・取り組む予定」と回答した。
また、規模の大小に関わらず業界全体としてDXへの注目度が高いことも判明した。
従業員数別のDX推進状況の割合を集計したところ「501-1,000名以下」の企業のDX推進率が最も高い(88.9%)が、「1-10名以下」の企業においても半分以上の55.1%がDXを推進している。
DXを推進するきっかけでは、「DXの機運が高まっているから」という回答者(54.5%)が最も多く、次いで「DXのニュース・記事を読んだから」(23.6%)、「社内メンバーからの要望」(18.7%)と続いた。
目的に関しては、一番多いのは「業務効率化」で、2番目に多いのが「生産性の向上(稼働率アップなど)」。3番目に多いのが「顧客満足度アップ」だった。
実際に推進するなかで、DXの効果については。「とても効果を実感している」が11.6%、「まあまあ効果を実感している」が53,7%であり、合わせて7割弱が「効果を実感している」と回答した。
DX推進で苦労していることを聞いた質問では、「予算の確保」「DX人材の確保」「導入プロセスがわからない」の3つがそれぞれ30%以上となった。
DX推進の担当部署についての質問では、「役員直轄」(22.4%)との回答が一番多く、2番目に多い回答(19.0%)が「経営企画・事業企画・社長室など」と「営業企画・営業部」だった。「DX推進部」という専門部署が担当するパターンも11.1%あった。
DXの年間予算は、企業規模に比例して増える傾向にあることもわかった。
「DXを推進予定」「DXに取り組んでいる(いた)」回答者への、年間予算を質問したところ、従業員数1-10名の企業では57.5%が「DX推進の年間予算を50万円以下」と回答した。
従業員数11-100名の企業では「100万円以下」が最多、101-500名以下の企業では「300万円以下」、501名以上の企業では「1,000万円以上」が最多だった。
昨今のトレンド「ChatGPT」の活⽤は、13.4%にとどまる結果となった。28.6%は「活⽤を検討している。活⽤する目的は「住宅・物件の紹介⽂などの作成」や「情報収集」「問い合わせ対応⽂の作成」などであった。「DXに取り組む予定」「取り組んでいる(いた)」という回答者への「DXの情報収集をしているか」の質問では、「情報収集している」が7割だった。
情報収集先についての質問では、「不動産・住宅業界のWEBメディア」(78.4%)が一番多く、2番目に多いのが「住宅・不動産業界イベント」(39.0%)だった。 また、4
人に1人(24.9%)が「SNS」と回答しており、情報収集の手段が多様化しているといえる。
業務改善ツールを選択した理由は、「機能が充実している」(43.9%)が一番多く、「機能がシンプル」(35.4%)が2番目に多い。シンプルさよりも多機能を求めるユーザーがやや多いことがわかった。
また、DXを推進するためにツール導入以外で行ったことを質問したところ、「業務フローの見直し」(53.0%)「社員へのモバイル端末の支給」(50.6%)が多く、過去の図面や顧客情報のデジタル化」についても3番目に多い42.7%が回答していた。
「DXに取り組む予定がない」回答者に理由を質問したところ、「予算がかけられない」(35.9%) 、「社内に人材がいない」(23.7%)、「取り組み方がわからない」(22.4%)といったものが上位を占めた。
業務別でのDX推進状況で一番多い(71.4%)のが「集客」であり、2番目に多いのが「施工管理」(66.9%)だった。全業務において、40%前後の事業者がDXを推進している。
興味があるDXの取り組み事例に関する質問では、一番多いのが「業務効率化」で70.1%、2番目が「集客力アップ」で45.9%となった。アンケート全体から、DXを推進することでの「集客力アップ」への関心が高いことが判明した。