2023年11月21日、不動産テック協会の設立5周年記念イベントが参議院議員会館で開かれた。協会の活動報告に加え、河野太郎デジタル大臣による挨拶やMetaProp・村上知旨氏による基調講演などが行われた。

撮影=リビンマガジンBiz取材班

イベントの挨拶として河野太郎デジタル大臣が登壇し「人口が減り高齢化が進んでいる日本で温かい社会を作っていくには、今までと同じことをやり続ければ、どこかで回らなくなることははっきりしている。これから先、人間がやらなくてもいいものは AIやロボット、コンピューターに任せることを積極的にやっていかないといけない。不動産分野におけるオープンIDの取り組みなども、我々にとって非常にありがたい」と述べた。

河野太郎デジタル大臣 撮影=リビンマガジンBiz取材班

また、住所表記の課題や地図のデジタル化、ドローン物流を見据えた3D化マップの整備の必要性を説くとともに、「不動産の分野で、やろうと思っていることが規制でできないということがあれば、規制改革を進めていきたい。遠慮なく要望をお寄せいただきたい」と締めくくった。

米国のベンチャーファンドであるMetaProp・アジアパシフィック代表の村上知旨氏による基調講演「海外不動産テックVC から見た日本の不動産テック市場」では、アメリカの不動産テック企業の動向や日本でのテック企業との比較などが紹介された。

るMetaProp・アジアパシフィック代表 村上知旨氏 撮影=リビンマガジンBiz取材班

村上氏はベンチャーキャピタルとして立場から「アメリカのテック企業の動きと比べると、日本の不動産テック企業にはまだまだ潜在的な成長の余地がある」と語り、今後日本国内で期待される不動産分野として、「ニッチの開拓」と「バーティカルSaaS」を挙げた。

「不動産はものすごく、広い産業なので、ニッチな分野のアセットをテクノロジーによって改善し、統一ブランド化していくような動きは日本でももっと大きくなっていく可能性がある。また、不動産の産業構造やサプライチェーンを理解した人がバーティカルに新しいサービスや価値を生み出していくというのは、成長を期待できる」(村上氏)

一方で、日本の不動産や建設業界は大手の寡占率が高さや商慣習の違いなどは色濃くあるため、それらを考慮したアジャストメントが必要であるとも語った。

 
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