不動産業界の人手不足の原因は「資格やスキル」。TDB調べ
不動産業界の人手不足の原因は「資格やスキル」。TDB調べ
帝国データバンク(東京都港区)は、「企業における人材確保・人手不足の要因に関するアンケート」の結果を発表した。
※有効回答企業1,033社
同調査に回答した不動産事業者は合計で33社、正社員・非正社員の人手不足の状況とその要因について尋ねた項目では、約63%にあたる21社が、人が不足していないと回答しており、その要因については、「賃金や賞与の引き上げ」が61.9%と最も高く、「働きやすい職場環境づくり」42.9%、「福利厚生の充実」23.8%などが続いた。
優秀な人材確保や採用に向けて、不動産業界では賃上げ(ベースアップ)や労働環境の整備の動きが活発になってきている。
直近の不動産事業者各社のプレスリリースを見ても、プレサンスコーポレーション(大阪市)給与水準5.8%引き上げ・新卒初任給8.0%引き上げ(23年3月)、ケイアイスター不動産(本庄市)”年収2割UPプロジェクト”始動(23年4月)、タクトホーム(西東京市)新卒初任給約9.2%引き上げ(2023年5月)などが確認できた。
一方で、人手が不足していると回答した11社において、人手不足の要因については、「条件に見合った人材から応募がない」が50%と最も高い結果だったが、他の業界も軒並み高い要因となっている。
業界別の全体比で10%以上プラスの要因としては不動産業界では「資格や高度な技術・スキルが必要」が41.7%(全体23.8%)と、宅建を始めとした資格や経験・スキルを持った人手が求められていることがわかる。また、割合は低いながらも「経営方針が賛同されない」が8.3%で、全体平均1.7%というなかで全業界を通して最も高いという点も興味深い結果となった。