スーモ 掲載物件の仲介手数料表記が可能に。不動産事業者はどう捉えている?
スーモ 掲載物件の仲介手数料表記が可能に。不動産事業者はどう捉えている?
2023年4月1日より、リクルート(東京都千代田区)が運営する大手不動産ポータルサイトの「スーモ」で、掲載物件の仲介手数料を表記することが可能になった。
これまでスーモは、不要な価格競争などを防ぐことを理由として、掲載物件の仲介手数料表記を禁止していた。しかし、4月1日より消費税込みの手数料額や消費税込みの手数料の割合表記ができるようになり、事前に案内があった不動産事業者は大きな衝撃を受けている。
また、今回の変更になった理由のひとつには、2022年に中堅仲介会社が不動産ポータルサイトを相手取った公正取引委員会への提訴も影響しているとの見方もある。
では、各事業者はスーモの仲介手数料表記をどのように捉えているのだろうか。
東京都内で、中古マンションの売買をメインに事業展開している不動産会社の社長は、「どの業者も戦々恐々としている。できれば(表記を)辞めてほしいというのが本音。特に地方や郊外で新築戸建ての客付け仲介をやっている会社が及び腰になっている」と語り、周辺の同業者はネガティブな印象が多いという見解だ。
その他の事業者からは、「先物をスーモに載せて集客しているため、どのような影響が現れるかは様子見の段階」「顧客と事業者の間にある透明性が高まるという点ではよいのではないか」といった意見も見られた。
「仲介手数料が無料である物件をいわゆる”鳴り物”として集客して、決めるのは別の物件といった手法も主流になるかもしれない」(前出・社長)と、手数料表記による業界良化を疑問視する声も挙がった。