ワタシの父は幼い頃に地震や水害に遭った経験があり、家を建てるのにひどく慎重な態度を示していました。

絶対に氾濫の心配のない高台に住みたい。

大きな地震が来ても揺るぎない強固な地盤じゃなきゃ嫌だ。

なんなら東海地震が済んでから家を建ててもいい(東海地方住みなもので)。

などと申しておりまして、母が「東海地震を待っていたらいつまでも家が建たん!」とブチ切れる始末でした。

結局、子どもの進学に合わせて家を建てて、30年経っても東海地震は訪れず、こだわり抜いた頑丈な家が果たして巨大地震に耐えうるのかという検証をしないまま父は鬼籍に入りました。

幼少期にトラウマを植えつけられたのは可哀想だったけど、自分が建てた家が倒壊の憂き目に遭わずピンシャンしている姿だけを見て往生できたのはある意味シアワセだったとも言えましょう。

そんな父親の元で育ったため、ワタシも住む場所にはひとかたならぬこだわりがあります。

近くに河川があるのはNG

なぜなら氾濫が怖いからです。

普段の生活ではすごく楽しそうなんですけどね。

河川敷でジョギングしたり犬の散歩したり草野球したりそれをボーッと見たり、なんて文化と無縁で暮らしてきたので憧れがあります。

山の近くや崖の傍はNG

なぜなら土砂崩れが怖いからです。

こう言ってはなんですが、土砂崩れで被害に遭ったニュースなんかを見ると「ひえー、気の毒に」とは思うのですが「そりゃそんなところに住みゃ土砂崩れもあろうよ」とも思ってしまう人でなしです。

海のすぐ近くもNG

なぜなら津波や高潮が……あ、もういいって?

親の実家が海岸沿いだったので(だからこそ父が水害に遭った)、海の近くはもう飽き飽きしている、てのもあります。

独特の潮の香り、曲がりくねった狭い道、次々と錆びていく柵や自動車、なんてのは頻繁に接していると欝々としてくる。海はたまにキレイなビーチで遊べれば充分です。

ではどこなら住みたいか?

以上を踏まえてワタシが住処を決めた要件は、こんなカンジです。

城下町

なぜなら城は頑丈な地盤の上に建築されていることが多いから。

400年以上も大規模な水害や地震で街が壊滅せずに生き残っていた場所なら、まあなんとなく安心かな~と思えます(関東大震災や東京大空襲からあっという間に復興した東京なんて例もあるから一概には言えないけど)。

古い街に土地を買う場合は、古地図をチェックするのがオススメ。

沼や田んぼを埋め立てたりしてないでしょーねってことが確認できて、安心度がちょっと高まります。

東海道新幹線の駅からアクセスのいい場所

古い街の雰囲気も好きですが、人がどんどん集まってきて活気のあるエリアも好きです。

平らな土地

これは何かと言いますとね。

ノーモア水害な父が建てた実家は高台にありまして、どこに行くにも坂を下らなきゃいけなかったのです。

そして下るということは帰宅するときは上るということ……。

実家を出てフラットな土地に住んでみると、自転車という乗り物はこんなにも快適だったんだ! と衝撃を受けました。

アレは帰りは押して歩かなきゃいけない重い荷物だと思っていましたよ。

そんなこんなでワガママ放題を言っていると、まともに土地なぞ買えやしません。

なので自力で戸建てを建てるという夢は早々に諦めて、便利な場所でマンション暮らしをしています。

 
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