スマートホーム事業を展開するアクセルラボ(東京都新宿区)は、賃貸住宅向けのスマートタブレット端末「aliepad(アリーパッド)」の提供を開始した。住宅の壁面に常設するコンセプトで、インターホン機能とスマートホーム操作に加え、管理業務の効率化を支援する独自の機能を搭載している点が特徴だ。

「aliepad」撮影=取材班
「aliepad」の最大の特徴は、単なるスマートホーム操作端末にとどまらず、賃貸管理業務の効率化に特化した機能群を備えていることだ。「スマートコンシェルジュ機能」として4つの機能を提供する。
「FAQ機能」では、入居者のよくある質問への24時間セルフ対応が可能となる。ペットの飼育方法やゴミ出し日程、設備トラブル対応などを自己解決できる仕組みだ。また、「お知らせ機能」により、従来の掲示板や入居者アプリでは既読率が低かった管理会社からの連絡を、タブレット画面上に常時表示し、見逃しを防ぐ。
「内見モード」では、空室時に自動で切り替わり、物件の魅力を伝える動画再生やスマートホーム体験操作が可能となる。仲介業者の説明に依存しがちな物件募集で、デベロッパーのこだわりやコンセプトをしっかり伝えることが可能だ。さらに「災害対応機能」として、震度4以上の地震や台風発生時に、入居者の安否と被害状況のアンケートを自動一斉配信。被害状況を速やかにレポート化し、優先対応の判断やオーナーへの報告を効率化する。
同社・執行役員の高橋貢氏は「スマートホームをコントロールするタブレットは多いが、それだけでは差別化できない。物件の管理の効率化につながるスマートコンシェルジュ機能を搭載することで差別化を図った」と開発の狙いを説明する。
また、スマートコントローラーとして、従来のインターホンモニターやセキュリティコントローラーなど複数の設備を1台に集約できる点も特徴だ。Wi-Fi接続のみで配線工事が不要なため、設備費用も抑制できる。「インターホンモニターやセキュリティコントローラーをはじめ、いろんなスイッチやリモコンを1台に集約することでデザイン性も高められる」(高橋氏)
ドアや窓に設置したセンサーと連動し、在宅モード・外出モードの切り替えが可能なセキュリティモニター機能を搭載。また、チュートリアルモードにより、簡単に使い方を習得でき、新しいデバイスへの問い合わせ増加を防ぐ工夫も施されている。
同社・プロダクトマーケティングユニット・プロダクトマーケティングマネージャーの北村貴広氏は「管理会社は基本的に対応不要な問い合わせを受けたくない、根本的に減らしたいという課題を持っている」と説明。「aliepad」により住民の自己解決率向上と管理業務効率化の両立を図る。

左から)北村貴広プロダクトマーケティングマネージャー、高橋貢執行役員 撮影=取材班
住宅用途以外にも、緊急通報サービスや宿泊施設、仮設住宅でのコミュニケーションツールとしての活用も検討中だ。高橋氏は「端末の利用データや操作履歴がビッグデータとして集積されることで、入居者の行動を分析することも可能になる。これが広まっていったら、マーケティングツールとしても強力」と、デバイスの利用データの利活用にも可能性を示した。
既に大手不動産会社への導入も進んでおり、今後の普及拡大が期待される。また、「aliepad」の機能や使い方、導入効果を紹介するオンラインセミナー「【新製品発表】 管理業務を劇的に効率化し、未来の暮らしで入居者を魅了する、スマートディスプレイ『aliepad』を徹底解説」が、7月29日(火)・31日(木)の両日13:00、16:00の各2回開催予定となっている。参加は無料。