遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。

これまでの商慣習や仕組みが劇的に変わり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。

不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。

今回は、『nomad cloud(ノマドクラウド)』や『ぶっかくん』といった賃貸仲介業務の支援ツールの提供に加え、2018年8月からはホテル事業も開始したイタンジ(東京・港区)伊藤嘉盛社長に話を聞いた。(リビンマガジンBiz編集部)

イタンジ・伊藤嘉盛社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

―2012年設立イタンジは、不動産テック企業としては古参の部類に入るでしょう。当時は、フィンテックという言葉はありましたが、不動産テックという言葉はまだありませんでした。当時と今を比べてどういった変化がありますか。

そうですね、不動産業界の状況は変わってきましたが、「まだまだ道半ばだなあ」と思っています。

実は先日、賃貸で借りる部屋を探したんです。ネットで探した部屋に申し込みしようとしたら、店舗に呼ばれ、紙の申込書を提出しなきゃいけないということになったんです。

結局は、書類の準備に30~40分待たされてしまいました。「FAXで申込書を取り寄せてますので、待っててください」みたいに言われまして(笑)。

さらに、連帯保証人用の書類も取り寄せて、また一回戻ってきて「すいません、個人用を取り寄せてしまったので、法人用で」みたいな感じで「また10分ぐらいかかる」とか言うんですね。やっぱり「まだかなりアナログなんだなあ」と感じました

その一方で、自社のサービスをセールスしている上で感じる変化もあります。

やはりIT化していくことは、「もう当然」という前提で話ができる不動産会社が増えたと思います。

今までは「IT化する必要があるんですか?」とか「IT化したらどうなりますか?」とか、IT化することそのものを検討していた企業が多かった。でも今は、もうIT化は必須ということは説明しなくても良くなりましたね。

―IT化に取り組む会社が増えているわけですね。

実際に、IT化に積極的な会社とそうではない会社では、売上げに差が出てきています。

当社の『nomad cloud(ノマドクラウド)』というサービスを導入して、LINEで接客している会社では、反響来店率が30~40%くらい上がってきているという事例があります。

そうした事実に気づいた部署では、IT化できるものはどんどん導入しなければいけないと意識が共有されています。逆にIT化してうまく行かなければ、それも共有される。

そういう導入前と導入後での検証がわかりやすくできるんですよね。一方で、少人数の会社っていうのは、一部の部署や店舗だけで実験してみるということが難しい。今後、なかなか苦しい流れになると思いますね。

やはり、IT化やシステム化の恩恵を受けるためには、ある程度の会社規模が必要になってきます。不動産業界もM&Aなどで、今後は一定程度規模があるところだけが、勝ち残っていくとは思います。

>>次のページ:イタンジはホテル事業から新たな不動産価値を見出す(2ページ目)

 
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