住宅メーカー23社(※)につき、2023年10月期までの広告宣伝費および販売促進費の合計額が高い順にランキングしました。あわせて、また、売上における広告宣伝費率が高い企業上位10社や、前年比で広告宣伝費の増加割合が高い企業トップ10も紹介します。

※注=編集部基準

画像=PIXTA

集計方法

  • 2022年11月期から2023年10月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計
  • 「広告宣伝費」「販売促進費」のどちらか一方のみが明示されている場合はその数値を採用、両方表示されている場合は広告宣伝費のみを集計
  • 広告宣伝費・売上高の数値は、原則として100万円未満は切り捨てとしたが、広告宣伝費が100万円未満のケースのみ10万円まで表示した
  • 連結発表の企業は、連結した金額で発表

広告宣伝費1位は大和ハウス

順位 会社名 2023年10月期
広告宣伝費
(百万円)
広告宣伝費
前年比較(%)
売上高
(百万円)
広告宣伝費率(%)
1 大和ハウス工業 27,132 105.1% 4,908,199 0.55%
2 積水ハウス 23,326 98.8% 2,928,835 0.80%
3 飯田グループホールディングス 15,865 113.7% 1,439,765 1.10%

1位は大和ハウス工業で、広告宣伝費は271億3,200万円でした。昨年の広告宣伝費からは13億1,200万円増やし、105.1%の増加となりました。前回調査に引き続き売上高・広告宣伝費共に第1位となり、業界内での存在感が際立っています。

同社は前回調査までは前年比で広告宣伝費を削減していたものの、本格的にコロナ禍が収束したことから、広告費を増加させました。2009年〜2011年に話題になったシリーズCM「ダイワマン」を、2022年から俳優の西島秀俊氏を主役に、SEASON2として復活させています。

2位は積水ハウスで、広告宣伝費は233億2,600万円でした。前年比は98.8%となり、わずかに広告費を減らしています。この微減傾向は昨年調査から継続しています。

積水ハウスのCM「幸せって」篇では、歌手・森山直太朗氏の「積水ハウスの歌」2022バージョンが用いられ、ナチュラルな白い服装の俳優・安藤サクラ氏が出演するなど、清潔感と自然体が強調される内容となっています。

3位は飯田グループホールディングスで、広告宣伝費は158億6,500万円となり、昨年度から1,908万円増やし113.7%としました。前回調査に引き続き広告費を増加させています。

飯田グループHDのCMとしては、同社が運営する住宅情報サイト「すまいーだ」のCMが印象的ですが、グループ傘下の東栄住宅では、悪の組織の部下たちがアジト探しに東栄住宅を利用し、同社スタッフに励まされたり、快適すぎる住宅を選んだりしてボスに怒られるなど、ユニークなCMを展開しています。

順位 会社名 2023年10月期
広告宣伝費
(百万円)
広告宣伝費
前年比較(%)
売上高
(百万円)
広告宣伝費率(%)
4 タマホーム 11,511 117.1% 256,065 4.50%
5 オープンハウスグループ 4,718 121.8% 1,148,484 0.41%
6 長谷工コーポレーション 3,984 169.8% 1,027,277 0.39%
7 ナック 3,173 104.1% 57,068 5.56%
8 レオパレス21 2,718 104.0% 406,449 0.67%
9 フジ住宅 1,316 88.6% 114,473 1.15%
10 サンヨーホームズ 1,071 78.6% 40,970 2.61%
11 グランディハウス 862 117.8% 55,205 1.56%
12 日本ハウスホールディングス 770 125.2% 39,103 1.97%
13 ケイアイスター不動産 662 70.7% 241,879 0.27%
14 ハウスフリーダム 591 111.5% 12,966 4.56%
15 Lib Work 462 118.8% 14,183 3.26%
16 安江工務店 339 104.6% 7,046 4.81%
17 KHC 325 100.3% 11,047 2.94%
18 アールシーコア 291 72.6% 13,940 2.09%
19 メルディアDC 130 35,745 0.36%
20 フィット 62 88.6% 8,853 0.70%
21 Robot Home 40 108.1% 8,625 0.46%
22 エムビーエス 5 50.0% 4,004 0.12%
23 サンユー建設 1 200.0% 9,225 0.01%

調査した23社全体では、広告宣伝費は前年比108%のアップとなりました。

売上における広告宣伝費率が高い10社

売上高における広告宣伝費の割合が高い企業上位10社は以下のようになっています。

順位 会社名 広告宣伝費率(%) 2023年10月期
広告宣伝費
(百万円)
広告宣伝費
前年比較(%)
売上高
(百万円)
1 ナック 5.56% 3,173 104.1% 57,068
2 安江工務店 4.81% 339 104.6% 7,046
3 ハウスフリーダム 4.56% 591 111.5% 12,966
4 タマホーム 4.50% 11,511 117.1% 256,065
5 Lib Work 3.26% 462 118.8% 14,183
6 KHC 2.94% 325 100.3% 11,047
7 サンヨーホームズ 2.61% 1,071 78.6% 40,970
8 アールシーコア 2.09% 291 72.6% 13,940
9 日本ハウスホールディングス 1.97% 770 125.2% 39,103
10 グランディハウス 1.56% 862 117.8% 55,205

1位のナックをはじめとして、トップ5は前回調査と変わらない顔ぶれとなりました。上位5社すべてが広告宣伝費を前年より増やしており、コロナ後を見据えて本格的に広告宣伝に力を入れている様子がうかがえます。

広告宣伝費の前年比増加割合が高い企業トップ10

順位 会社名 広告宣伝費
前年比較(%)
2023年10月期
広告宣伝費
(百万円)
前年
広告宣伝費
(百万円)
1 サンユー建設 200.00% 1 0.3
2 長谷工コーポレーション 169.82% 3,984 2,346
3 日本ハウスホールディングス 125.20% 770 615
4 オープンハウスグループ 121.79% 4,718 3,874
5 Lib Work 118.77% 462 389
6 グランディハウス 117.76% 862 732
7 タマホーム 117.06% 11,511 9,833
8 ハウスフリーダム 111.51% 591 530
9 Robot Home 108.11% 40 37
10 安江工務店 104.63% 339 324

 

 
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