大手デベロッパー比較(メジャー6社)2022

日本の不動産業界を担う大手デベロッパー6社について、売上、純利益、社員数、時価総額の4つの観点から比較しランキングしました。あわせて、前年と比べての増減も考察します。デベロッパーとは土地や建物などの不動産の開発を行う企業のことで、大手6社を比較することで、コロナ禍の長期化や原材料高騰に揺れる不動産業界の現状が見えてきます。
(リビンマガジンBiz編集部)

集計方法
・三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産ホールディングス、野村不動産ホールディングス、東京建物の6社を調査
・6社中5社の「売上」「純利益」「社員数」は、2021年3月期の有価証券報告書より集計
・東京建物のみ決算期が12月のため、2021年12月期の有価証券報告書より集計
・連結決算の数値を採用
・2022年4月15日時点の「時価総額」を集計

 

画像=写真AC

 

売上ランキング1位は三井不動産 売上増は2社のみ

 

1位は例年どおり三井不動産で、売上高は2兆75億5,400万円と、唯一の売上高2兆円を記録しました。売上前年比も105%と、コロナ禍でも貪欲に事業を展開しています。

三井不動産は国内最大手の財閥系不動産会社で、最近では2022年4月18 日に、神奈川県藤沢市の Fujisawa サスティナブル・スマートタウンにて、県下初となるシニアレジデンス「(仮称)パークウェルステイト湘南藤沢計画」を着工、2024 年秋に開業予定です。高齢化社会を見据えた、自立した健康な高齢者向けの住居となっています。

2位三菱地所(売上高1兆2,075億9,400万円)までが売上一兆円以上となり、3位の住友不動産は9,174億7,200万円と、売上高1兆円を下回りました。売上高が昨年より増えたのは1位の三井不動産と6位の東京建物の2社で、2位~5位までの企業は前年比94%~86%と、コロナ禍を反映して厳しい結果となりました。

参考サイト
大手デベロッパー比較(メジャー6社)2021

 

純利益ランキングは6社中4社が減益 東京建物の好調目立つ

 

1位は三菱地所で、純利益1,470億6,900万円、前年比は89%でした。三菱地所は業界2位の大手デベロッパーです。2022年4月には、グループ全体の更なる DX やデジタル化を推し進めるため、連結子会社のメック情報開発株式会社を「三菱地所 IT ソリューションズ」に商号変更することを発表しました。

純利益ランキングにおいては、2位の住友不動産(1,413億8,900万円、前年比100%)と5位の東京建物(359億3,800万円、前年比109%)の2社を除く4社が前年比89%~56%の減益となりました。三井不動産は1,297億2700万円で前年比70%となり、前回1位から3位に後退しています。ランキングの他の項目ではコロナの影響など感じさせない同社ですが、コロナ禍の痛手は純利益に現れています。

最も純利益が減少したのは東急不動産ホールディングスで、216億3400万円、前年比56%となり、好調な東京建物に抜かれ6位となりました。同社は、今後も不確実で先が読みにくい状況が続くと予想し、長期ビジョン「GROUP VISION 2030」の策定と理念体系の再整理を行っています。

他方、東京建物は6社中唯一、売上高・純利益共に前年比で増加となりました。東京建物は東京を中心とした不動産会社ですが、アメリカのホテル会社ヒルトンと契約、「ヒルトン京都」を2024年に開業予定としています。ヒルトンのブランドである「ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ」としては京都初進出で、コロナ禍が落ち着いたころのインバウンド需要を期待してのものでしょう。

 

社員数ランキング1位は三井不動産

 

社員数ランキング1位は三井不動産で2万3,992人でした。3,000人あまりを増やして、ここ数年1位だった東急不動産ホールディングスを退けて業界トップとなっています。

3位の住友不動産ホールディングス(1万3,530人、前年比99%)以外は各社とも社員数を増加させました。さすがにメジャー6社だけあって、体力があり、社会の大きな変化にも、企業規模を維持しながら対応する方針のようです。

 

時価総額ランキング1位も三井不動産 三菱地所は2位

 

1位は三井不動産で、2022年4月15日時点の時価総額は2兆6,275億2,100万円でした。ここ数年、不動産業界の時価総額は三菱地所が1位となるケースが多かったのですが、2兆5,582億3,400万円と、昨年より増加はしているものの、追い抜かされる結果となりました。三井不動産の、コロナ禍に動じない、積極的な姿勢が投資家の好感を買ったのでしょう。

3位の住友不動産(時価総額1兆6,572億5,500万円、前年比99%)以外は、各社とも前年より時価総額を増やす結果となりました。住友不動産は、バリアフリー不適合の住宅を建設したとして、2022年3月に東京地裁で賠償命令を受けたことなどから、評判を落としたと考えられます。

物価や原材料費は高騰しているものの、巣ごもりにより、マンション・戸建て住宅の需要があることから、投資家の不動産業界への期待が窺える結果となりました。

 

大手デベロッパー比較ランキング 2022

順位 会社名 2021年12月期時点
売上(百万円)
純利益
(百万円)
社員数
1 三井不動産 2,007,554 129,727 23,992
2 三菱地所 1,207,594 147,069 9,982
3 住友不動産 917,472 141,389 13,530
4 東急不動産ホールディングス 907,735 21,634 23,411
5 野村不動産ホールディングス 580,660 42,227 7,390
6 東京建物 340,477 35,938 5,648

 

売上高ランキング 2022

順位 会社名 2021年12月期時点
売上(百万円)
前年期
売上(百万円)
売上前年比(%)
1 三井不動産 2,007,554 1,905,642 105%
2 三菱地所 1,207,594 1,302,196 93%
3 住友不動産 917,472 1,013,512 91%
4 東急不動産ホールディングス 907,735 963,198 94%
5 野村不動産ホールディングス 580,660 676,495 86%
6 東京建物 340,477 334,980 102%

 

純利益ランキング 2022

順位 会社名 2021年12月期時点純利益
(百万円)
前年期
純利益
(百万円)
純利益前年比(%)
1 三菱地所 147,069 165,415 89%
2 住友不動産 141,389 140,997 100%
3 三井不動産 129,727 184,694 70%
4 野村不動産ホールディングス 42,227 49,636 85%
5 東京建物 35,938 32,839 109%
6 東急不動産ホールディングス 21,634 38,587

56%

 

社員数ランキング2022

順位 会社名 2021年12月期時点
社員数
前年期
社員数
社員前年比(%)
1 三井不動産 23,992 20,864 115%
2 東急不動産ホールディングス 23,411 22,953 102%
3 住友不動産 13,530 13,676 99%
4 三菱地所 9,982 9,619 104%
5 野村不動産ホールディングス 7,390 7,176 103%
6 東京建物 5,648 5,344 106%

 

時価総額ランキング2022

順位 会社名 2022.4.15時点時価総額
(百万円)
2021.4.21時点時価総額
(百万円)
時価総額前年比(%)
1 三井不動産 2,627,521 2,228,353 118%
2 三菱地所 2,558,234 2,502,304 102%
3 住友不動産 1,657,255 1,682,488 99%
4 野村不動産ホールディングス 550,487 499,242 110%
5 東急不動産ホールディングス 495,244 408,864 121%
6 東京建物 385,078 328,393

 

 
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