不動産業界お金持ち企業ランキング2021

上場不動産企業115社(※)について、所有している現金及び現金同等物の期末残高が高い順にランキングしました。急な出費に備え多くの現金を用意している企業は、それだけ資金にゆとりがあることを推し量れます。コロナ禍の影響か、財閥系企業の壁を崩す企業が登場する意外な結果となりました。(リビンマガジンBiz編集部)

※注=編集部基準

集計方法
・2020年3月期から2021年2月期までに公表された企業の有価証券報告書から集計
・各企業の「現金及び現金同等物の期末残高」より集計
・連結決算の場合は連結数値を集計

画像=Pixta

お金持ち企業1位はオープンハウス 財閥系デベロッパーをおさえる

1位はオープンハウスで、現金及び現金同等物の期末残高は2,192憶1800万円となりました。前年の年度末に比べて838万7,200万円増加しています。オープンハウスは1997年に都心で不動産流通事業を開始しました。利便性が高く、かつリーズナブルな一戸建住宅を供給するため、製販一体型の事業運営を行っています。

平成9年生まれの新しい企業が、老舗財閥系企業をおさえてトップに立つという意外な結果となりました。コロナ禍で、より住み心地が良く快適な家を都心に求める消費者がいる一方、娯楽を制限されたことで身辺整理をより真剣に考え、不動産会社に不動産売却を考える地主も増えています。こうした売買に素早く対応するため、現金及び現金同等物が増えたと考えられます。

2位は昨年1位の三菱地所で、現金及び現金同等物の期末残高は2,130憶80万円でした。昨年の年度末が2,130憶800万円でしたので、事業規模を考えれば横ばいと言えます。三菱地所は不動産業界第二位の大手財閥系デベロッパーです。最近では、東京駅日本橋口前の常盤橋街区で開発中の「TOKYO TORCH」につき、商業ゾーンおよび大規模広場を 2021 年 7 月 21 日にオープンすると発表しています。

昨年の同趣旨のランキングでは三菱地所のみが2,000億円越えでしたが、今年はオープンハウスと三菱地所の2社が2,000億円越えとなりました。

参考サイト
不動産業界お金持ち企業ランキング2020

3位は住友不動産(1,934億4,800万円)、4位は三井不動産(1,794憶7,200万円)と、2位以下は日本を代表する大手財閥系デベロッパーの名前が連なります。5位はイオンモール(1,240億8,000万円)です。イオンモールは創業1911年の「岐阜繭糸株式会社」にさかのぼる老舗企業ですから、上位企業中では、1位オープンハウスの若さが際立っています。コロナ禍で多くの企業が経営難に追い込まれていますが、商機をつかんだ若い企業にとっては、老舗企業に割って入るチャンスと言えるのかもしれません。

11位以下はこのようになっています。


 
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