今年からコラム執筆をすることになりました、北海道のファイナンシャル・プランナー中谷(なかたに)と申します。これからどうぞよろしくお願いします。

今日は北海道の特殊事情について書いてみたいと思います。この時期、北海道は不動産の取引が鈍化します。ご想像のとおり家や土地が雪で覆われているからです。出て歩くのも億劫ですし。

とはいえ、雪があっても日々取引はおこなわれています。しかし雪のために出来ないことがあります。それは「境界石の確認」です。この作業はさすがに春を待ってからということになり売主さん買主さん共に異論は出ません。雪が少ない地域でも地中に埋もれた境界石を掘って見つけ出すことは、地面が凍結しているため難しいことなのです。

売却において、不動産業者は物件見学の際にもいろいろと気を使います。戸建の空家をご案内する時には1時間は早めに出向いて玄関前と駐車場の除雪をします。見学には車でいらっしゃることがほとんどですから路上駐車ではなく敷地内に車を入れなければご近所に迷惑がかかります。暖房の点火もしておきます。セントラルヒーティングや蓄熱暖房機の家ではすぐには温まりませんから、せめて車のヒーター出口にスリッパを置いて温めておくことくらいしかできません…。

雪のない時期でも売却にあたり売主様は冬の状況についていろいろと説明をしてくれますし、買主様も冬の状況について気にしています。道路の除雪・排雪の状況、お隣の屋根からの落雪がどうなのか、反対にこちらの家の落雪はどうなのか、風向きで雪庇はできるか、ご近所さんは除雪が丁寧か…などなど。除排雪の状況で住みやすさは大きく左右しますし、雪で近隣トラブルになるのは避けたいですから、それらの情報で売却できるか否かも左右されます。

札幌市内の住宅地は敷地内に雪を除けておく場所(北海道では「雪をなげる場所」といいますが)が少ないため、近年、除排雪業者さんとシーズン契約をしているご家庭が増えています。そうすれば、ある程度の雪がたまると業者さんがトラックで持って行ってくれます。費用は1シーズン4万円前後でしょうか。シーズン契約をしているご家庭の玄関先には業者さん毎に目印のポールが立っているんですよ。

こう見ると雪は大変だなと思われるかもしれませんね。でも、さやかな楽しみ方もあります。ビールを雪に刺しておけば冷蔵庫で冷やしたのとは違うマイルドな冷え方で美味しく楽しめますよ。

 
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