売主買主共に責任がない被害における補修費用の負担は誰が払うか
売買契約を結び、引き渡しまで滞りなく順調に行きそうだった状況下で地震や台風などの自然災害の被害を受けてしまった場合、
その費用は誰が負担するようになるのでしょうか。
契約内容などにもその旨が記載されていることがありますが、ここでは売却時における補修費用の負担責任についてご紹介していきましょう。
●自然災害などに対するリスクは危険負担と呼ばれる
危険負担とは、台風や地震などの自然災害において住宅が引き渡し前に被害を受けてしまった場合の補修費用負担の事を指します。
当然、売主・買主ともに責任がない状況ですが、この負担をどちらが払うかは契約書とともに渡されるであろう「重要事項説明書」に記載されていることがあります。
もし何も記載がない場合は、法律に基づき持ち主になるであろう買主の負担になるケースが多いです。
状況にも依りますが、売主はこのような事態を想定してきちんと説明しておくことが大切になります。
●きちんと説明責任を果たしたかどうかで賠償問題にもなり得る
売主の説明責任の中には、地域の過去の災害における被害状況(災害地域として指定を受けているかどうか)を告知する義務があります。
また、事前に地盤などを調査したうえでリスクについても説明しておかなくてはなりません。
このことを怠って、万が一引渡し前に災害にあってしまった場合には、説明責任を果たしていなかったということになり、逆に損害賠償を請求される事態もあり得ます。
そうならないように、自然災害へのリスクについても事前にわかる範囲で説明しておかなくてはなりません。
●線引きが曖昧になりやすい
こうしたトラブルは稀ですが、順調にいっていたのに話がこじれてしまったという事態もあり得るので、状況に応じて弁護士などに相談するのをおすすめします。
また、十分に想定できている場合には、重要事項説明書にどちらが負担することになるのかを明記しておくと良いでしょう。
売主や買主にとっても大事な部分になるので、お互いが納得出来る契約内容にしておくことが、安心と信頼につながるはずです。