(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)

8月12日は「ジョン・ケージの命日」だ。

1912年アメリカ合衆国に生まれたジョン・ケージは、作曲家、詩人、思想家として活躍した。実験的な音楽の作曲や演奏に取り組み、クラシック界のみならず、現代アートなど前衛芸術全般に大きな影響を与えたのち、1992年のこの日に亡くなった。

そんな現代音楽家として偉大な功績を残したケージであるが、実は「キノコ研究家」という一面も持っている。ニューヨーク菌類学会の創立に携わるほどの筋金入りで、キノコ好きの理由のひとつに、百科事典に記載されている“music”と“mushroom”が隣り合わせだからという話もあったそうだ。

ケージは、生涯を通じて、さまざまな現代音楽を作ったが、もっとも有名なのが「4分33秒」だ。初めて発表されたのは1952年のこと。ピアニストのデイヴィッド・チューダーが、ニューヨークのウッドストックでグランドピアノを前に演奏した。以降、度々演奏されることがある「4分33秒」であるが、この曲は4分33秒間、何も演奏しない。

かつてハーバード大学の無響室を訪れた時、神経系が働く音と血液がながれる音の2つを聴いたという。ここでで、実は世界に無音などはなく、自身の死後も音が続くことに気がついた。4分半の沈黙の曲を「書き」、無音の不可能性を示したのだ。我々がこの「4分33秒」を聴く時、コンサートホールにいる人々が密かに息をする音、鼻をすする音、衣擦れ音、演奏を聴く自身の身体が生体活動をする音など、コンサートホールにすでにあったにも関わらず、注目されていなかった音に注意を向けることになる。

ケージ自身、40年代にコロンビア大学で鈴木大拙に出会い、禅を学んだり、中国の易の手法を用いた曲を作曲したりと、東洋思想の影響も大きく受けている。ケージの「偶然性の音楽」はこういった思想体験を元に生み出されたといってもいいだろう。

以外と高い「楽器可物件」の需要

ジョン・ケージの「4分33秒」を除くと、世の中にあるほとんどの楽曲は何かの楽器で演奏するのが一般的だ。楽器を演奏する人にとって、持ち家がない場合は日常的に楽器を弾くために「楽器可」の防音賃貸物件を借りることがある。

不動産経営をする側にとっても、楽器可物件は通常の賃貸よりも付加価値がつくため、高い賃料で貸し出すことができ、築年数が経っても賃料が下がりにくいというメリットがある。楽器可物件は、音大生やプロミュージシャンのみに需要があるわけではないようだ。学生やプロ以外にも楽器演奏を好む人は多く、サラリーマン生活を続けながら趣味で演奏したい人にとっても需要が高いのだという。

防音設備を搭載するため、建設費用は通常の賃貸住宅よりもかかるが、長期的に見れば楽器可物件は有望と言えるのかもしれない。

 
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