(画像=リビンマガジン Biz編集部撮影)

5月の母の日には赤いカーネーションを贈る。最近では花以外にもスイーツや洋服、一緒に食事をするなど「お母さんを喜ばせる日」として定着している。そんな母の日に比べると、父の日はなんとなく盛り上がらないと思う人も多いかもしれない。

父の日の始まりは、アメリカの南北戦争に由来している。

1909年に、ワシントン州のジョン・ブルース・ドット夫人が教会で「母の日」についての説教を聞き、「父の日」も作って欲しいと牧師に頼みこんだのがきっかけだ。夫人は、さらに牧師協会に願い出て6月の第3日曜日に「父の日」を祝う礼拝をするようになった。

それにしても、なぜジョン・ブルース・ドット夫人はそのようなことを願い出たのだろうか。それは彼女の父への尊敬と愛情によるものだった。彼女の父は6人の子どもと妻を置いて南北戦争へ従軍した。しかし、銃後の苦労がたたり、妻が南北戦争の終戦後に他界してしまうのだ。そのあと、父は再婚をすることもなく、慣れない家事や育児と仕事をこなし、必死で6人の子どもを育て上げた。そして、子ども達が成人したのを見届けるようにして、亡くなったのだという。そんな父への尊敬と深い愛情から父の日を作って欲しいと願い出たのだという。

その後、アメリカでは1972年に国民の祝日として定められ、今日に至るまで大切にされている。このように、もともと「父の日」は父への敬愛の気持ちを込めて祈りを捧げる日だったのだ。

日本では、「〇〇の日」になると何かとプレゼントを贈る。だから、贈らなければならない日という義務感から、そのような「記念日やイベントは好きではない」という人もいる。しかし、本来の意味や起源をしれば、そうではないとわかるだろう。

の日に家を贈る!?

ところで芸能人の間では、若くして親のために家を買ってあげた、という話をよく聞く。芸能ニュースなどによると、小栗旬、中居正広、国分太一、井上真央、矢口真里などの若い世代でも、よくあるようだ。

少し前には人気アイドルグループ、嵐の櫻井翔が6月に定年を迎える父へ別荘をプレゼントしたと伝えられ、話題にもなった。

「そんなことができたら良いなぁ」と思う人も多いだろう。しかし実際には自分の住宅を購入するだけで精一杯という人が多いのではないだろうか。

住宅ローン専門の金融機関で調査したところ「住宅購入の際に親に資金援助を受けたことがある」という人が約4割いるという。住宅は大きな買い物だけに、親に贈るどころか、現実は親に頼ってしまっているという人も少なくないのだ。 

そうでなくても、社会人になっても何かと頼ってしまう父の存在。何よりも大切なのは父を想う気持ちだ。「父の日」には自らの父に思いを馳せてもいい。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ