8月11日は「南極犬のタロが亡くなった日」である。

奇跡の生還をはたしたタロは1970年の本日、札幌の北海道大学植物園で老衰のため亡くなった。

14歳7カ月だった。人間でいえば、85歳~90歳にあたる。長生きだった。

1956年に南極地域観測隊にそり犬として同行したが、引き上げの際、南極に取り残されてしまう。

1年後、次の観測隊が南極に到着した時、無人の基地内で奇跡的に生き残っていたのがタロである。

その話は『南極物語』として映画化された。


名古屋港ガーデンふ頭にあるタロ・ジロの銅像 (画像=フォトライブラリー)

タロはその後も観測隊に同行し、帰国後は北海道大学植物園で余生を過ごしていたという。

容態が悪くなったと報じられると、全国からタロへ励ましの手紙が届いた。

今もなお続いている南極地域観測隊、59次隊の隊員が決定し、訓練を経て今年の11月に南極に向けて出発する予定だ。

活動内容は、南極大陸の気象、地質、生物の観測である。

隊員の多くは国立極地研究所の研究員だが、それだけではない。

一般のサラリーマンも専門員として行くことがあるのだ。

例えば、上空から観測を行うために、ヘリコプター操縦士が派遣されることもある。

そして、基地、隊員らが寝食を共にする住宅も同じだ。

南極という、地球の果てにある氷の世界で生活するには、住宅設備が一番重要になってくる。

その住宅建設を一手に引き受けているのが、ハウスメーカーであるミサワホームなのだ。

居住棟の維持管理や新たな観測棟の建設などを行っている。

本サイトでは、実際に南極に派遣されたミサワホームの福田真人氏にインタビューしている。

仕事内容は、基地施設の建設業務だが、ブリザードが吹いた後の雪かき作業などは仕事の垣根を超えて全員で行う。

最果ての地だが、居れるものならもっと居たかったとも語っていた。

本来、人間が住める場所ではない所を住めるようにする。

これほど、有意義でやりがいのある仕事はないだろう。

南極犬タロを越えるほどのドラマは起きていないが、地道な研究と調査が続けられている。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ