8月6日は日本初の鉄筋造集合住宅「中之郷アパートが建設された日」だ。

1926年の本日、墨田区本所に日本初の鉄筋造の集合住宅である中之郷アパートメントが建設された。

このアパートは、1923年に起こった関東大震災の義援金で設立された同潤会が建てた。

同潤会が建てたアパートは「同潤会アパート」と呼ばれ、主に東京と横浜で住宅供給を行った。

中之郷含め同潤会アパートは、全16か所で建てられた。


中之郷アパート跡地に建てられたセトル中之郷 (画像=リビンMagaZine編集部撮影)

震災で木造住宅に大きな被害が出たことにより、頑丈な鉄筋造の集合住宅が求められた時代である。

この中之郷アパートは、震災復興の象徴とされ、被害を受けた下町の住民を勇気づける存在だったという。

中之郷アパートのあった押上本所周辺の住民は、当時「周りにコンクリートの建物なんて無かったから、とても高級感がありました」と語っており、先駆的な建築物だったことが分かる。

実際に、同潤会アパートは近代住宅の先駆けとも言われ、和洋室や中庭、共用施設の設置など現代でも取り入れられている設計を標準化させた。

特に、水洗トイレやゴミを落とすダストシュートは当時では最先端の設備であったという。

中庭には公園があり、子どもが遊んだり、ラジオ体操をしたりするなど、生活の中心にこのアパートがあったのだ。

戦中の空襲にも耐えた。

火は移ったものの、それ以外に大きな被害はなかった。

しかし、時が経つにつれ老朽化していき、2013年に上野にあった最後の同潤会アパートが取り壊され、全て姿を消した。

取り壊された跡地で大規模な再開発がなされ、代官山の跡地には「代官山アドレス」、表参道の跡地には「表参道ヒルズ」がそれぞれ建てられている。

中之郷含め、近代アパートの先駆けとして造られた同潤会アパートのような、地域の中心となる集合住宅が今も多く建てられている。

その思いは変わらず受け継がれているのではないだろうか。

 
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