数年前、長くお付き合いさせてもらっている70代後半の経営者の方から、相談がありました。

その方は、東京で会社経営をされている方で、もちろん東京近郊在住です。

なんでも、知り合いからの紹介で、熊本市でアパート経営(当時:築後約20年)をされていて、相談内容は「空室率が上昇している」ということでした。

まずうかがったのは、アパートの立地。

なんと熊本大学から徒歩3分の好立地でした。

オーナーの目線では、

(1)建物が古い

(2)管理している不動産業者の怠慢

実際に物件を見ないことには何とも言えないので、オーナーと一緒に物件を見に行き、管理業者さん(こちらも70代の方)にもお話しをうかがうことにしました。

私の印象は、建物はやはり古さを感じさせ、お世辞にも建物や設備を「ウリ」にできるような物件ではありませんでした。

ただ、この「熊本大学から徒歩3分」という立地条件は最大の「ウリ」になります。

ひと通り、物件や周りの環境を確認した上での、私の見立ては、「インターネットを無料にすれば、学生は飛びつく」という結論でした。

管理業者もオーナーさんも、インターネットを敷設すると、ウン十万かかってしまうというイメージで、二の足を踏んでいたそうです。

そこで、回線を1本引いて、性能の良い無線対応機を設置。各居室には中継用の機器を置くという方法で、10万円にも満たない費用で、「インターネット対応のアパート」にグレードアップさせることができました!

学生さんは、スマートフォンとノートパソコンが必須なので、「インターネット無料物件」はインパクトが大きかったようです。

インターネット敷設後は、入居率も上がり、収益が安定する物件になり感謝されました。

昨年、そこそこの価格でそのアパートを売却され、そこそこ儲かったと喜んでおられました。

物件は、ニーズに合ったものに育てることで、安定した収益を生むことを学んだケースでした。

 
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