家やマンションを建てる際、法律で日影規制というものが定められています。

あまり耳にする言葉ではないと思いますが、この日影規制というものは実際にどういった規制になるのでしょうか。

日影規制とは

日影規制とは、家やマンションなどの建築物を建てる際、周りに住んでいる住民のための日照障害を規制することです。

1970年代頃、マンションなどの高い建物が増えだしため日照権の訴訟というものが増えてしまい、1976年に建築基準法の改正に伴い制定された法律となりました。

要するに、建築物の周りの住人にもきちんと太陽の光が当たるように配慮をしなければならないということです。

太陽の光というものが一切入らないとなれば、ベランダや庭に干している洗濯物も乾きにくいですし、部屋の中も湿気でカビの増加で悩まされることになります。

ということから、周りの住人にも一定時間太陽の光が入るようにきちんと守られている法律なのです。

測定の内容

日影規制を測定するにあたって、時間、測定面、範囲などといったものを測定していくことになります。

まずは時間なのですが、冬至の日に出ている太陽が真南に向いているときを12時として、8時から16時までの間に建物の日影に対する影響というものを考えていきます。

この8時間の間にどれだけ日影になっているかということが重要なポイントとなってくるのです。

次に測定面なのですが、これは地面にできる日影の影響は一切考えないとされています。

要するに、建物の中にいる人に太陽の光がどれだけ入ってくるのかというものを基準としているのです。

日影時間の測定は、隣の建物の1階の窓の高さや2階の窓の高さを想定した高さで検討します。

最後に範囲ですが、これに関しては測定する範囲が2つあります。

敷地境界線から5メートルの範囲で建築物が直接となりに与える影響と、10メートルとさらに範囲を広げて同じように与える影響を見ます。

そこで、それぞれの影響で出てくる日影を時間で換算し、一定以上の日影を出さないように抑えることを考えなければならないのです。

ちなみに、同じ敷地内に2つ以上の建築物がある場合はそのうちの1つの建築物が対象となります。

それと、特定行政庁が敷地の状況から周囲の環境の悪化の恐れがないと判断する場合があり、建築審査会の同意を得て許可した場合は日影規制外という判断が下されるのです。

このように、日影規制は意外と複雑なものになってきます。

とはいえ、太陽の光は平等に与えられなければなりませんので、多少細かくなってしまうことは仕方ないことでもあるような気もします。

 
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