生前贈与とは、多くの財産を所有しており、将来に相続する人物の相続税の負担を減らすために生きているうちから財産を贈与するということをいいます。

この生前贈与を上手く利用して、相続税対策をする方法というものが少なからず存在しています。

その相続税対策をするコツというものには、一体どういったものがあるのでしょうか。

生前贈与による方法

贈与税相続説が補完する仕組みになっている関係から、一般的には相続税の方が課税計算上有利といえます。

しかし、長期的な計画で合理的に実行すれば、相続税対策としてはかなり有効であって、さらに贈与の特例にも大いに活用されます。

また、相続時精算課税制度を選択することもできますが、この贈与財産は相続財産に加算されて相続税を計算しますので、相続の節税効果はあまり期待できないともいえるのです。

また、相続税財産課税ですので、相続財産が少なければ少ないほど相続税が軽くなるのは当然のことです。

相続財産を生前に贈与する方法というのは、そもそも相続する予定でもない人間に対しても生前に財産を分散させ、相続税の絶対額を減らしてしまおうという考えになります。

贈与税と相続税の差

贈与税というのは相続税を補うための税金のことをいいます。

贈与税がないということは、生前贈与が自由に行われることにもなります。

そうなれば相続する財産がなくなるため、相続税も一切払わなくて済みます。

要するに、多額の生前贈与が一度に行われることを防ぐため、贈与税は高い税金となっているのです。

そこで、贈与税は贈与を受けた人が1年間に贈与された財産に対して課税されます。

ですので、財産を複数の人間に数年間に渡り贈与しておけば、自ずと贈与税の合計金額も相続税よりも下回るということになるのです。

孫に贈与して節税するケース

財産を受け継ぐ人というのは、遺言でもしておかない限り誰でも財産を受け取るということはできません。

これはきちんと民法で定められてもいます。

とはいえ、生前贈与というのは生きているうちに財産を与えるものですので、受け取る人間も自由に選ぶことができるのです。

もちろん、妻や子どもなど自由に選ぶことができます。

ですが、相続開始前3年以内に贈与された財産には相続税がかけられてしまうのです。

しかし、この生前贈与加算制度は相続か遺贈によって財産を取得した人に関係があり、相続によって財産を取得しなかった人には適用がありません。

大体は妻か子どもに財産を渡すのが常識でありますが、先に子どもが亡くなれば孫に財産が行き渡ることはないのです。

ですので、孫に生前贈与をした場合たとえ3年以内に相続があったとしても、孫にはこの制度の適用がなく生前贈与に対する贈与税だけがかかることになるということです。

 
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