父が亡くなり、不動産を相続することになったので、不動産の名義を自分に変更するため、相続登記の手続きをしようと登記簿を確認しました。すると、なんと父の名義だと思っていた不動産が、とっくに亡くなった祖父の名義のままになっているではありませんか!?未登記だった不動産を相続するにはいったいどうしたらよいのでしょうか?

 祖父から自分への所有権移転登記をするためには、まず祖父が亡くなったという事実と祖父の相続人が誰だったのかということを、戸籍を辿って調べなくてはいけません。祖父の相続人を調べて名義変更をすることになりますが、そもそも父を含め祖父の相続人は亡くなっていたりするわけです。そうすると亡くなった祖父の相続人のそのまた相続人の同意を得ないことには、祖父から父へ、父から自分へと名義変更することはできないのです。

 例えば、祖父が亡くなったときの相続人が、父と叔母だけだったとします。父も叔母も亡くなっているので、父の相続人と叔母の相続人を調べます。相続人全員の同意を得ないといけないのですが、もし叔母に子供が5人いてそのうち1人が亡くなっているとしたらどうでしょう?亡くなった叔母の子供の相続人まで調べて同意を得なくてはいけません。

 兄弟が多い家なんて、本当に大変なことになってしまいます。相続登記をしないままになっていると、相続人のそのまた相続人の数が果てしなく増えてしまい、登記するのにどれだけ戸籍を辿らなければいけないか・・・。聞いているだけでややこしく、放り投げたくなってしまいますね。

 でも実はこれ、意外とよくあるケースなのです。特に田舎の農地などでは相続登記がされないままになっているところがたくさんあるそうですよ。登記名義人が亡くなった人のままになっていると、勝手に売ることも貸すこともできません。そしてどんどん相続人のそのまた相続人の数が増えてしまい、複雑化するばかりです。

 放り投げたくなってしまう気持ちもわかりますが、これは早々に司法書士など専門家に相談して、登記名義人を早く変更した方がいいですね。もちろん自分でもやろうと思えばやれますが、複雑化した案件は、やはり専門家にお願いするのがいちばんでしょう。相続人調査をしてもらい、相続人全員の同意を得られれば、無事不動産の相続登記をすることができます。

 もし、将来相続するかもしれない不動産があるなら、登記名義人がいったい誰になっているのか早めに確認しておくことをおすすめします。

 
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