第3回では、自社ビルを取得【17ステップ】のうち、ステップ5について、詳しくポイントを見ていきましょう。

ステップ5.新築 or 中古を決める

自社ビルを取得する方法は、通常、次の3つのパターンがあります。

(1)更地を購入して、新しくビルを建築する

(2)中古物件(建物つきの土地)を購入して、リニューアルを実施する

(3)中古物件(建物つきの土地)を購入して、古い建物は取り壊して新しくビルを建築する

一般的に、必要な金額は、「(2)<(1)<(3)」の関係となります。

(2)は既存の建物を利用できるのでその分安く、(3)は既存の建物の取り壊し費用の分だけ(1)より金額が大きくなります。

それでは、それぞれのパターンについて詳しく見ていきましょう。

(1)更地を購入して、新しくビルを建築する

自社ビル取得の最もオーソドックスなパターンです。

[メリット]

計画の段階から自社の希望を採用できますから、自社のニーズは完全に合致するオーダーメイドの建物を作れます。

[デメリット]

いちから建てることになるため、当然、建築費用は高くなります。

設計や建築などに、手間と時間がかかります。

(2)中古物件(建物つきの土地)を購入して、リニューアルを実施する

最近特に多いパターンです。

[メリット]

既存の建物を利用するため、建築費用を大幅に抑えられることが最大のメリットです。

[デメリット]

既存の建物のため、設備や構造などに対する自社の希望を完全に反映できません。

(3)中古物件(建物つきの土地)を購入して、古い建物は取り壊して新しくビルを建築する

上記(1)のパターンの変形です。

既存の建物が古いなど、修繕やリニューアルでは、十分に自社の希望条件を満たすことができない場合におこなわれます。

[メリット]

良い立地や自社のニーズにあった条件がある物件の選択肢を増やすことができます。

[デメリット]

解体費用がかかります。最近では、取り壊した建物の廃材の処分費用も高くなります。

アスベスト(=石綿)などの有害物質が使用されていれば、処理費用はさらにかかります。

(その4)へ続く

参考文献
自社ビル取得&運用マニュアル(すばる舎リンケージ)

株式会社ダク・エンタープライズ
株式会社首都圏ビルマネジメント
代表取締役 阿部龍治

 
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