2022年12月5日~7日の3日間、東京ビッグサイトでRX Japan(東京都・新宿区)主催の日本最大級の不動産テックのイベント「第3回 不動産テックEXPO」が開催される。
不動産・住宅業界における最先端技術を活用した製品やサービスを、実際に見て、試して比較し、体験できるイベントだ。
しかし、不動産テックやDX(デジタルトランスフォーメーション)といった言葉だけでは具体的にどのような効果があるのかが掴みにくいのが不動産テックサービスだ。
そこで、不動産テックEXPOに出展しているサービスの活用事例や成功事例にフォーカスすると共に、出展ブースでの見どころについて紹介しよう。今回は、カラーアンドデコ(東京都・港区)とestie(東京都・港区)の2社のサービスを取り上げる。
半年決まらなかった物件が4日で決まる
~カラーアンドデコのバーチャルホームステージング~
カラーアンドデコ(東京都・港区)は、リアルの経験と家具のCGデータを活用したホームステージングサービスを提供している。
カラーアンドデコが提供しているサービス 画像提供=カラーアンドデコ
同社が提供している「カラデコファスト」「プランナー+」は、空室写真を送るだけで、3DCGの家具をインストールした写真が最短数時間で納品されるというバーチャルホームステージングサービスだ。
ユーザーがインテリアパターンを選んでオーダーする「カラデコファスト」では、工数を少なくサービスを提供することで1枚1,980円~と業界最安値を謳っており、これまでホームステージングが難しかった賃貸物件での利用が広がっている。
インテリアコーディネーターにコーディネートを依頼し、3DCGを配置する「プランナー+」もあり、新築物件や戸建ての売買物件などで活用されている。どのプランも、360°カメラで撮影された画像の加工や物件写真撮影代行などにも対応している。
バーチャルホームステージングの写真をポータルサイトに掲載するだけで、通常の空室の写真を掲載したときよりも20~40%閲覧数が増加するケースがあるという。
また、2022年9月には3D空間をカスタマイズする「カラデコ360」の提供も開始した。
360°カメラで撮影した定点のVRではなく、ウォークスルーで移動できるサービスで、CADやBIMのデータがインポートされたバーチャルの部屋の中で家具などを自由に配置することができる。その他にも、ナイトモードや採光のシミュレーションも可能だ。
新築建売などを取り扱っているハウスメーカーでの青田売り時の提案やシミュレーションとして活用や、建材メーカーによるバーチャル上でのショールームとしての利用などを見込んでいる。
実際に、「バーチャルモデルルーム」で物件を紹介したところ、半年借り手が付かなかった物件が、僅か4日で決まったという事例も生まれている。
加えて、バーチャルホームステージングやカラデコ360などで設置されるCGの家具の多くが実際の家具メーカーが取り扱っている商品であり、インテリアの購入なども可能だ。
どんな効果が期待できるのか、出展ブースサービスを体験しよう
「業界内で、ホームステージングという言葉の認知は広まっているが、実際にうまく活用できている企業は僅かです」と語るのは、カラーアンドデコ・山口真幸COOだ。
山口COOは、大手マンションデベロッパーの流通部門にて売買仲介に就き、その後リアルでのホームステージングを提供している企業に入社し営業の統括に携わっていた。しかし、リアルなホームステージングでは、配送や設置のコストが発生してしまう。地方や遠隔でのサービス提供に限界を感じ、カラーアンドデコの立ち上げに至ったという。
「バーチャルホームステージングの良さは、低価格で様々なスタイルを見せることができる点です。リアルステージングだと一度家具を置いてしまうとそのイメージしか提案できません。バーチャルで作った写真をラミネートで実際の物件において見てもらうといった使い方もある。ポータルやHPに写真を掲載するだけでなく、同じアングルで2~3スタイル作るのが一番効果的ですね」(山口COO)
営業担当者が、なにもない空室でどのような生活ができるのかをイメージさせるには、至難の業だ。現地の物件案内時にもバーチャルホームステージングされた写真を見せることで、生活がイメージしやすくなるという。そういったポイントが、不動産事業者にも理解され、利用企業者数1300社以上にものぼる。
出展ブースでは、「カラデコファスト」「プランナー+」といったバーチャルホームステージングサービスに加え、新サービスの「カラデコ360」も紹介される予定だ。
自社であればどのような効果を期待できるのか、実際にブースに訪れて相談してみよう。
企業名 |
株式会社カラーアンドデコ |
所在地 |
東京都港区港南2丁目16-1品川イーストワンタワー7階 |
製品カテゴリ |
住宅向け建材、住宅設備、リフォーム・リノベーション、不動産テック |
繋がりたい企業、人 |
売買仲介、賃貸仲介、賃貸管理、ハウスメーカー、デベロッパー、住宅建材メーカー |
日本最大級の商業用不動産データへいつでもアクセス
~「esite」が提供するオフィスのDXサービス~
コロナ前、好調だった都心を中心としたオフィス市場は、コロナ禍における在宅勤務やリモートワークなどによって大きく様変わりした。
空室率が上昇し入居者の要望に変化が現れている中で、いかに情報を素早く、網羅的にキャッチし、経営の意志決定をしていくかが重要なポイントになった。
そうした中で、estie(東京都・港区)が提供している不動産データ分析基盤「estie pro」は、不動産デベロッパーやオフィス管理会社といったビルを保有・運用している事業者、資産運用会社や機関投資家などのオフィス売買を行う事業者などに活用されている。
たとえば不動産デベロッパーやオフィス管理会社にとって賃料設定は基幹業務の一つだ。「estie pro」を使えばこれまで数日かかっていた賃料設定における調査業務が数時間で完了する。
「estie pro」画像提供=estie
従来、オフィスの賃料を設定する際には、まず対象物件の競合物件を特定し、当該競合物件群の賃料情報の収集を行うことからスタートしなければならなかった。オフィスは今どこでどの程度の空室が出ているのかを把握することが困難であり、また賃料情報は、ネット上では未公開になっているケースが多く、仲介会社にヒアリングしなければならない。
「estie pro」にestie proでは全国8万棟以上のオフィスデータが閲覧可能であり、東京の都心五区では中小ビルも含めたオフィス情報の90%以上を網羅しているため、競合物件の情報を瞬時に収集できる。
対象の物件が過去にいくらの賃料だったのか、空室期間の情報なども網羅されている。
オフィスのリーシング営業・売買でも活用
「estie pro」はリーシング営業の現場においても活かされている。
「estie pro」で閲覧可能な20万事業所の入居テナントデータを活用すれば、競合のビルにどういったテナントが入居しているのかといったことを、現地視察をせずとも知ることができる。
たとえば、ビルの取り壊し情報を知った際には、そのビルにどういったテナントが入居しているのかを即時に調べ、営業をかけることができる。複数フロアにまたがってオフィスを借りている企業に対して、ワンフロアのオフィスを提案するなども可能だ。
「estie pro」画像提供=estie
企業軸や業界軸などで検索することで、自社のビルに入居可能性の高そうな企業の一覧リストも作成することができる。
これまで経験と勘などによって行われていたその他のオフィス業務も、膨大なオフィスデータの活用によって大幅に短縮される。オフィス売買においては、日々提案を受ける物件の初期的なスクリーニングに利用したり、物件の投資判断や稟議に必要なデータ収集を効率的に行ったりと、様々な効果が現れている。
展示会当日には、「estie pro」に新たに追加予定の商業用不動産売買事業者に向けた新機能をお披露目する予定だ。
「業務のDXを具体的にどのように進めれば良いのかわからない」「これまで当たり前と考えていた業務に関する改善アイディアが欲しい」といった課題を持っている不動産事業者は、ブースに立ち寄ってみよう。
企業名 |
株式会社estie |
所在地 |
東京都港区西新橋1-1-1 日比谷フォートタワー |
繋がりたい企業、人 |
商業用不動産を取り扱っている不動産会社、デベロッパー、プロパティマネジメント企業、オフィスリーシング業務を行なっている方、アセットマネジメント企業、金融機関 |
450社が出展する日本最大級の不動産・建設の総合展
「第3回 不動産テックEXPO」は、不動産・建築の総合展示展「Japan Build -建築の先端技術展-」の構成展の1つだ。建材からDXソリューションなど、建築・建設業界の幅広い最新の製品が出展する。
「Japan Build -建築の先端技術展-」は7展で構成されており、全体で450社が出展、うち200社は初出展となる。
自社の利益や生産性向上などに繋がるサービスに出会えるまたとないチャンスになっている。
イベント名 |
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日時 |
2022年12月5日(月)~7日(水) 10:00~18:00(最終日のみ17:00終了) |
場所 |
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主催 |
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同時開催展 |
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参加費 |
無料 (通常¥5,000 ※WEBからの事前登録にて無料) |
※注=出展社数は同時開催展を含む最終見込み数字です。開催時には増減の可能性があります。