不動産テック協会は13日、マンション管理のDX(デジタル変革)を推進する新部会「マンション管理DX部会」の設立イベントを開催した。

不動産テック協会・滝沢潔代表理事 撮影=取材班
同協会の滝沢潔代表理事は、現在のマンション業界が直面する課題として「3つの高齢化」を挙げた。建物の高齢化により修繕費が高騰し、修繕積立金が不足する物件が約4割に上ること、住民の高齢化が進む中で住環境の改善が必要なこと、そして管理人の高齢化により人手不足が深刻化していることを指摘した。
新部会は3つの主要活動を掲げる。第一に、DXを阻害する既存規制の緩和を求めるロビー活動。各自治体が定める管理人配置義務などの条例緩和を目指す。第二に、管理組合に対するDX導入や収益事業に関する情報発信。第三に、マンション管理会社へのDX推進についての情報提供だ。
滝沢代表理事は「どれだけテクノロジーで新しい取り組みを進めても、人の配置を義務付ける条例が残る限り市場は生まれない」と規制緩和の必要性を強調した。
同部会はマンション管理業協会との連携も進めており、各市区町村の管理人配置に関する条例の実態調査データの提供を受けている。
東京23区では全区で管理人配置に関する条例が存在するが、内容は区によって異なる。週5日4時間以上から週2時間以上まで幅があり、緩和規定の有無も区によって差がある状況だ。
今後は区議会議員や区長への働きかけを通じて条例緩和を目指すとともに、定期的なイベントや情報交換の場を設けてDX推進を図る方針を示した。