Aqaraがスマートホーム規格「Matter」への対応強化を発表。低価格のコントローラーも登場

日本上陸2年目を迎える中国発のIoTスマートホームデバイスブランド「Aqara」は、スマートホーム標準規格「Matter」への対応強化および新製品の発売を発表した。4月22日に開催された「Aqara」Matter強化キャンペーン発表会では、Connectivity Standards Alliance(CSA)日本支部代表の新貝文将氏がMatterの概要について、Aqaraブランドマネージャーのミア氏が新製品および対応強化について、ガジェットレビュアーのmiDen氏が消費者目線でのメリットについて解説した。

左から、CSA 日本支部代表 新貝文将氏、Aqaraブランドマネージャー ミア氏、ガジェットレビュアー miDen氏 撮影=取材班
新貝氏によると、Matterは従来のスマートホーム業界で各社が独自規格を展開し相互接続が難しかった状況を解決するため、Apple、Google、Amazonなど主要企業が手を組んで策定した標準規格。現在800社以上が参画するグローバルな規格となっている。
特徴としては、iOSやAndroidといった主要スマートフォンとの互換性、QRコードを読み込むだけの簡単なセットアップ、異なるプラットフォーム間での相互運用性、セキュリティ面での強化などが挙げられる。また、通信規格として「Thread」が注目されており、従来のBluetoothと比べて遅延が少なく、メッシュネットワークを構築することで安定した通信が可能となる。
日本市場ではMatter対応製品がまだ少なく、Matterコントローラーの選択肢も乏しいことが課題となっている。
このような背景を受け、Aqaraは「双方向統合」によるMatter対応の強化を発表。Matterデバイスを全てAqaraホームに統合することと、Aqara製品の固有機能をAppleホームなど他プラットフォームでも利用できるようにするブリッジ機能の2つの方向性を示した。

「M100ハブ」画像提供=Aqara
また、新製品「M100ハブ」も発表された。M100ハブは、Matterコントローラー機能とブリッジ機能を搭載し、最新のThread通信にも対応している。価格はこれまで同社が発売していたMatterコントローラーよりも低価格になっているという。4月24日からAmazonで先行販売され、その後楽天やヨドバシカメラなどでも展開予定だ。
miDen氏は消費者目線から、従来のスマートホーム製品の課題として、各社が独自アプリを用意しており操作が煩雑だったこと、メーカーを越えた連携ができなかったことを挙げた。Matterの登場により、異なるメーカーの製品であっても一つのアプリで管理・操作が可能になり、メーカーの壁を越えたオートメーションが実現できるようになったと評価した。
Aqaraは、Matter対応を積極的に進め、低価格のコントローラーを提供することで、日本市場での普及に貢献していく姿勢を示した。