選挙戦のど真ん中に参議院とは何かを解説する

画像=写真aC

 

こんにちは。日経新聞を読んでいない君でも、選挙が近づいていることは気が付いていますよね。

7月10日投開票です。ぜひ投票に行ってください。それにしても、政権選択選挙の衆院選と違い、参院選っていまいち盛り上がりに欠けますよね。話題になるのはタレント候補くらいでしょうか。そもそも、参議院ってなんのためにあるのか、すでに忘れている人もいますよね。今回は選挙に向けて、超基本的なところだけおさらいしていきましょう。

まず、教科書的なところから。参議院は定数245人(今年の改選以降は248人)、任期は6年です。半数ずつ任期を迎える仕組みで、今年も定数の半分が改選します。つまり、参院選は3年ごとにあるんですね。衆議院のように4年の任期中、途中で解散することはありません。6年間の任期が保障されている参議院は、じっくりと長期的にものごとを考え、議論する役割が期待されているので「良識の府」と呼ばれています。最近はあまり聞きませんけどね。

参院選は政権を決めるものではありません。でも、特に政権与党にとっては大事な選挙です。というのも、衆議院と参議院で多数派が異なる、いわゆる「ねじれ」の状態になると、国会運営が滞ってしまうからです。国会では、法案を審議する時はまず、衆議院から審議します。衆議院→参議院の順番です。ねじれ国会の場合、衆議院で可決された法案が参議院で否決されるおそれがあります。こうなると法律が作れません。実際、過去にねじれ国会の状態に居合った時には、日銀総裁の同意人事が2度にわたって否決されたりしています。

ただ、そうなった場合は、衆議院で3分の2以上の賛成で再可決すれば、法案を通すことができるんです。参議院で否決した法案を衆議院で可決できるのは、衆議院の方が参議院よりも優越するという考え方がベースにあるからです。任期が短くて、解散のある衆議院の方がより国民の意思を強く反映すると考えられているんですね。つまり、ねじれていても、衆議院の多数派は自分たちの意志を通すことができる。ただ、法律を作るのに時間がかかり、やりたいことがうまくできなくなってしまうという問題が起きます。

そうなってくると、参議院って何のためにあるんでしょう。実際、参議院は「衆院のカーボンコピー」なんて揶揄(やゆ)されています。選挙を意識して世論に流されやすい衆議院に対して、6年の任期がある参議院はじっくり議論ができると言われていますが、じっくり議論をして存在感を発揮する機会はあまりありません。議員からは、党議拘束(採決では所属政党の決定に従って投票するように議員の行動を縛ること)がかかっているので、結局は所属政党の意向に従わざるを得ず、自由な議論ができないという指摘も出ています。

どうしても「二軍感」がある参議院。役割が不明確で存在感がなさすぎることは当然、問題になっていて、選挙制度の改革を含めた議論が進められています。衆議院との役割の違いを明確化するために、参議院を「地方の府」に位置付けて、地方自治体の意見書をじっくり審査する仕組みなども検討されていますが、議論はまとまらず、まだ着地点は見えていません。本来であれば、憲法改正や社会保障政策など、重要だけれど複雑で専門性が要求される分野の議論をじっくりしてほしいところです。

 
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