うまい棒も値上げ インフレについて知っておくこと

 

画像=Pixabay

みなさんこんにちは。4月から「うまい棒」の価格が、1本10円から12円に値上げされるそうです。驚いた人も多いのでは。日経新聞にはこのように、値上がりの記事が非常に目立ってきました。日経を読まない君だって、ガソリンの値段が高いことには気が付いているでしょう。そうした中で、耳にする機会が増えているのが、「インフレ」という言葉です。あらゆる経済キーワードの中で、最も生活に影響があるキーワードであるインフレ。基本的な言葉すぎて周りの人には聞けないと思っている人、いい機会なのでここで必要な知識だけおさえちゃいましょう。

 

インフレ(正しくはインフレーション)とは、モノやサービスの値段(物価)が上がることを指します。反対の言葉はデフレーション(デフレ)です。デフレはモノの値段が安くなる現象ですね。モノの価格が上がるということは、たとえば、1個100円で買えたあんぱんが、1個150円になるということです。それはすなわち、お金の価値が少なくなるということでもあります。100円で買えるものが少なくなる、と言った方がわかりやすいでしょうか。ここは重要なポイントなので、ちゃんとおさえておいてください。

 

物価のモノサシとなる指標はいくつかあるのですが、最も一般的なのは消費者物価指数(CPI)です。あらゆるモノの価格を調べて指数化したもので、総務省が発表しています。一般に、インフレというは、CPIの前年同月比の数字が上昇していくさまを指します(どれくらい上昇したらインフレ、という具体的な定義はありません)。

 

CPIで見た場合の、日本の12月の物価上昇率は0.5%でした(生鮮食品を除く総合)。アメリカは7%のインフレだと騒いでいるので、まだまだ日本は平和です。でも、日本の物価は2021年7月までマイナスだった、つまりデフレが続いてきわけで、ちょっとでも上向いている今は、かなり状況が変わってきたとも言えます。

 

なぜインフレが起きているのか

 

では、物価の上昇、すなわちインフレの要因を整理していきましょう。

 

まず、大きいのは原油高です。コロナ禍が始まった2020年4月、原油価格の主要な指標のひとつであるWTI原油価格は一時、マイナス圏に突っ込む異常事態に見舞われましたが、そこから上昇に転じ、現在は1バレル=93ドル前後。8年ぶりに100ドルを超える可能性もでてきています。火力発電に頼る日本では、石油が高くなると、まず顕著に電気代が上がります(火力発電の燃料である石炭や天然ガスの価格は、原油価格の影響を受けやすいためです)。電気代が上がると、あらゆる製品を生産するときのコストが上がります。昨今、さまざまなモノの価格を押し上げて言いる最も大きな要因は、この原油高が起点になっていると考えられます。

 

円安も見過ごせません。2021年1月の1ドル=102円台から円安が進み、現在は1ドル=115円台くらい。石油を海外から買ってくるときに、原油価格の上昇と円安、二つの要因で従来よりも負担が重くなっていることがわかります。

 

もう一つの要因としては、コロナによるサプライチェーンの混乱がありそうです。米国ではコロナからの回復の過程でモノの流通が停滞し、日本もその影響を受けました。マクドナルドがポテトの販売を停止しているのも、その一例ですよね。モノの取引の鎖は世界中に広がっていて、それがいいったん切れてしまうと、モノが不足したり、価格が上昇したりします。世界はまだ、その混乱のただ中にいるということができそうです。

 

原油高、円安、モノ不足。このように、モノを手に入れるためのコストが高くなり、そのコストが販売価格に転化されてモノの価格が値上がりしている。これがいま、起きている物価上昇の基本的な理由です。

 

さて、このインフレ、当面の間は収まるどころか、加速する可能性があります。ウクライナの情勢が悪化すると、さらなる悪循環に陥る可能性があるんです。ロシアがウクライナに軍事侵攻しようとしており、緊張の度合いが日々高まっています。実はロシアは石油や天然ガスの世界的な生産国で、そのロシアが戦争をすると、さまざまなエネルギーの価格が影響を受けます。日本も影響を受けるでしょう。ウクライナの問題は、対岸の火事じゃないんです。

 

しかし、振り返ってみると、日本銀行は黒田総裁が就任した2013年以降、物価上昇率「2%」を目指して金融緩和政策をやってきました。物価上昇は日銀と政府の悲願であり、日本が再び経済成長するためには物価の上昇が必要だといわれてきました。しかし当たり前ながら、物価だけ上がっても経済発展しません。というか、むしろ社会は衰退します。それは、コストが上がったことによる値上げ(コストプッシュ型のインフレといいます。現在直面しているインフレはこれですね)ではなく、需要が高まることによる値上げ(ディマンドプル型のインフレといいます)でなければ、経済発展につながらないためです。それどころか、給料が上がらない中でで物価だけ上がったら、生活は苦しくなるばかりです。

 

日々の生活だけではありません。冒頭でインフレはお金の価値が減る現象だと書きました。これはつまり、みなさんのなけなしの貯金の価値も減るということです。これは地味にかなり大事な話で、対策を打っておかないと、少ない貯金が実質的にさらに少なくなります。ではどうすればいいか。そのお話はまた今度、あらためて。

 
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