tweetやチープ画像が何十億円に化ける!?NFTを解説

「日経新聞くらい読めよ」社会人なら誰もが一度は言われたセリフです。そりゃ、客先で経済ニュースを語れるとかっこいいですもんね。でも、「だって、みんな読んでないしな…」と、何となく済ませている人も多いのではないでしょうか。それでは、心許ないので最低限に知っておいて欲しい経済ニュースを、経済誌の現役記者・編集者がこれ以上ないくらいにわかりやすく解説します。今回は、NFTについて紹介します。 (リビンマガジンBiz編集部)

こんにちは。今回のテーマはNFTです。Non-Fungible Tokenの頭文字で、日本語では「NFT非代替性トークン」「非代替性資産」と表記されます。日経新聞を読まない君達は聞いたことすらないかもしれませんが、おそらく、日経新聞を読んでいる人でもイマイチよくわかっていないと思います。でも、すでにスポーツやゲーム、アートの世界で広く使われていて、ちょっとしたブーム、そしてバブルになっています。というわけで、このNFTって一体何なのか、なぜブームなのか、キホンを見ていきましょう。

NFTとは、一言でいうと、「ブロックチェーンの技術を使って、鑑定書や所有証明書などの情報を紐付けしたデジタル作品」です。音楽や動画、絵画などのデジタル作品は、容易にコピーされたり、改ざんされたりする可能性がありますよね。NFTならば、デジタル上の作品であっても、海外や彫刻のようなリアルの作品と同じように価値を担保したまま取引できるというわけです。

ニセモノ対策やコピーに悩まされてきたデジタル作品のアーティストや企業にとって、NFTは価値の維持・保存と取引のしやすさの両方をかなえる技術なわけです。

デジタル作品をNFTに変換する方法は意外と単純です。NFTを扱う取引所に、作品情報を登録、そして作品データをアップロードする。基本はこれだけ。NFTに変換された作品は、取引所で売買されます。転売も可能で、人気作品は高値で取引されます。

この「証明書付きデジタル作品」を技術的に可能にしたのが、仮想通貨の基盤技術として使用されているブロックチェーンです(通常、イーサリアムが使われます)。それゆえ、NFTは「暗号資産の兄弟」と表現されることもあります。

NFTはデジタル化できるものならば何でも対応できるので、あらゆるものがNFTになって取引されています。最も話題を集めたのは今年3月、米ツイッターの創業者、ジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)の初ツイートが競売で高額で落札された件でしょう。2006年3月22日の「just setting up my twwtr」というつぶきに、約291万ドル(約3.2億円)の値がつきました。落札したアメリカの起業家は「数年後には『モナリザ』と同じくらいの価値があることに皆が気づくだろう」とコメントしています。

一般の人(といっても、お金がある人ですが)に人気のNFTとしては、「NBA Top Shot」も有名です。アメリカのNBAの選手や名盤面を収めたデジタルのトレーディングカードです、プロ野球のトレカをデジタルにしたようなものですね。NBA Top Shotの中には2000万円で取引されているものもあり、ポテトチップスの中に入っているあのカードからはだいぶ離れたところにある感じがします。

NBA Top Shotはリアルのトレカと大きな違いがあるんです。転売されるたびに、一定の金額がNBAの団体に支払われるんですね。リアルのトレカはマニアがどれだけ高額で取引しても、発行元には1円も入りませんが、NFTは値段が釣り上がると、発行したアーティストや企業が利益を得ることができます。これは取引の履歴をすべて追跡できるNFTならではの特徴と言えるでしょう。リアルのアート作品の場合、アーティストの収入になるのは最初に作品を販売した時の料金のみです。数年後にアーティストが有名になって作品の価値が上がり所有者が高値で売却しても、アーティストの収入にはなりません。しかし、NFTならば価値が上昇した分、アーティストは利益を得ることができるわけです。

NFTで盛り上がるアメリカでは、実にさまざまなものがNFTになり、高額取引の例が多数でてきて、バブルの様相を呈しています。NFTブームの背景には、大規模金融緩和によるカネあまりがあることは間違いないでしょう。

NFTの中には、マニア以外にはなかなか価値を理解できないものも登場しています。

例えば、ファッションの分野では、スニーカーのNFTが人気を集めています。バーチャルのスニーカーに億を超える金額がつくんです。当然ながら、バーチャルのスニーカーを実際に履くことはできません。しかし、元来、スニーカーのコレクターは、大事なコレクションは履かずに飾っていますよね。だったらバーチャルでもいいんじゃね? みたいなことでしょうか。ちなみに、日本の1SECという会社が出品した日本初のバーチャルスニーカーは、約140万円の値がつき、出品から9分で完売したそうです。

最近になり、遅ればせながら、日本の企業もNFTに対応するサービスに参入しています。出版大手の集英社やゲーム会社、音楽ではエイベックスなどが、NFTに関連したサービスを始めています。そしてフリマアプリのメルカリも、NFTに対応したサービスを始めることを発表しました。メルカリの市場に、NFTのデジタル作品が出品される日が来るのでしょうか。

 
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