家を売る時、いくらで売れるのか調べるのに重宝するのがネットを使った一括査定です。複数の不動産会社の査定額を比較できるので、とても便利なシステムです。でも、このシステムには落とし穴があるのです。

査定の基準は仲介業者によって異なる

そもそも、ネットの一括査定は現物を見て評価しているわけではないので、あくまでも参考価格でしかありません。

評価基準は業者によって異なり、エリアや物件のタイプ、価格帯で得手不得手もあるのです。それに、個々の販売力によっても査定額に違いが出ます。

たとえば東京下町にあるマンションだとして、下町を基盤にしてマンション販売に実績がある業者なら、他社より高い査定額を提示するかもしれません。しかし実際の売値がいくらになるかは、現物を査定してからになります。

仲介業者の執拗なアプローチ

仲介業者の目的は家を売りたい顧客を確保することで、一括査定サイトはそのための情報収集の場なのです。仲介業者が家を売りたい人を見つけるには、一括査定サイトはとても便利なシステムということです。

一括査定を依頼する際に、物件情報と住所氏名、連絡先を登録しますよね。それはつまり、サイトに登録した仲介業者に「私はお客さんですよ」と告げて、親切に連絡先を提示しているわけです。

そうなると、当然のことながら様々な仲介業者から、電話攻勢やDMなどのアプローチを受けることになります。つまり一括査定を利用するということは、腹をすかせた鯉たちがいる池に餌を投げ込むようなものなのです。

高い査定額を提示する仲介業は要注意

単純に考えて、一番高い査定額を提示している業者は目立ちますよね。そこで、売る側はその業者に問い合わせしてみようという気になるわけです。そして最終的な査定は現物を見てからになるので、訪問査定をすることになります。

仲介業者にとって、客先への訪問が第一関門なのです。この関門を突破するために、中には敢えて高い査定額を提示する仲介業者がいます。そして、物件の仲介業務を自社で独り占めできる専属専任の媒介契約を結ぼうとしてきます。

専属専任の媒介契約を結ぶと、他の業者への仲介依頼だけでなく自分で買手を見つけることも制約されることになります。仲介業者によっては、売主と買主の双方から仲介手数料を貰うために他の仲介業者に物件を扱わせない“囲い込み”をされる危険があります。

もちろん、全ての仲介業者がそうであるとは限りません。しかし、一括査定サイトに登録している仲介業者の目的は顧客確保であることには変わりないのです。なので、突出して高い査定額を提示してくる業者は要注意ということになりますね。

 
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