住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。

北川景子主演の話題のドラマ「家売るオンナ」

昨日が最終回でしたね。

不動産業者を題材にしたドラマって今まであったでしょうか?

同じ業界ということで、普段あまりドラマを見ない私ですが、

このドラマは毎回楽しみに見ていました。

「おいおい、そんなにうまく家は売れないよ!」

と突っ込みたくなることばかりでしたが、

今でいうとパワハラで問題になりそうな女上司に戸惑いながらも

周囲が変わっていく姿はやはりいつの時代も仕事に対する厳しさと

本気で取り組む姿勢は大切だと感じました。

そして、昨日の最終回を見て少し考えることがありましたので、

コラムに書きたいと思います。

それは、

お客様のために仕事をするのか?


会社のために仕事をするのか?

ということです。

昨日の最終回では、

テイコウ不動産の新宿営業所のスタッフが

ある1棟ビルの立退き問題から、賃借人を守るため、

他のテナントを入れて、ビル全体を売却しようと一丸となって動きます。

そして、北川景子演じる三軒家チーフが担当する問題を抱えた親子に

ぴったりの物件に仕上げ、そのビルを10億円で売却するという

仲介をまとめ上げました。

しかし、そのビルはテイコウ不動産本社が再開発に携わっており、

新宿営業所がそのビルを仲介することは会社としてNG!ということになってしまったわけです。

そこで、中村トオル演じる課長はそのビルの仲介業務を辞めるよう全員に指示します。

賃借人、売主、買主全員がハッピーとなる取引を仲介する不動産会社の都合で

全て無しにするということです。

また、それができてしまうのが、不動産仲介業者なのです。

賃借人に断わり、売主にやっぱり売れませんと断わり、買主には売り止めになりましたと断れば終わりだからです。

再開発がされることで売主さんにメリットがあるかはわかりませんが、

こういったことは不動産業界では少ないことではありません。

つまり、不動産業者の利益重視で取引がされることがあるということです。

北川景子演じる三軒家チーフは、課長の言動に

「会社の犬!!」

と捨て台詞を吐きましたが、

いくら個人の営業マンがお客様のためにこの取引を成立させたいと思っても、

最終的には、不動産業者として会社の仲介印が無いと不動産取引はできません。

ドラマでは、課長がお客様のためにこのビルの取引をしようと思い、

「会社が許さないから俺の個人の印鑑で進めよう」

と言いましたが、個人の宅地建物取引士印だけでは、仲介業務ができません。

そして最終的に課長と三軒家チーフは会社を退職することになって、

独立してサンチー不動産を立ち上げた。というオチでドラマは終了しましたが、

私は、「ではあのビルの仲介は会社を辞めてサンチー不動産でやったのだろうか?」

という疑問が残りました。。

その疑問は置いておくとして、この最終回を見て思ったことは、

お客様のために動きたくても会社都合でできないことがあるということ。

不動産会社の1担当者は、1サラリーマンでもあります。

どんなにお客様のためにと思っても会社の方針に従わざるを得ません。

そして、会社も組織として生き残っていかなくてはなりません。

どうしても売上優先で動いてしまうこともあります。

そうだからこそ、最近問題になった

不動産会社による物件の囲い込み問題

が発生しているのだと思います。

私も賃貸の営業会社にいるときに、会社から手数料が多く取れる

会社の自社物件を決めるように厳しく言われました。

お客様の希望とは違くても営業力で決めるのがすごいんだ。

と叩き込まれました。

まだ新人の時は営業ノルマをこなすために必死で自社物件を決めていましたが、

お客様の希望に沿って物件を探せないことに疑問を持ち、

ノルマを達成しつづけて、自分のやりたい営業方針に変えていきました。

つまり、お客様の希望に沿った物件が他社の物件でも進んで紹介しました。

手数料利益は、自社物件の半分でしたが、何よりもお客様から喜んでもらいました。

そして、会社でトップの成績を収めることになりました。

その時にお客様のために仕事をすることが大切なんだということを身を持って感じました。

組織を否定しているわけではありませんが、

会社や自分の利益重視で動いてしまう会社や営業マンに

自分の大切な資産である不動産の売却を依頼すること、

大切な資産になる不動産の購入を依頼すること、

はリスクがあります。

じゃあ、どうやって見極めればいいの?

と思われると思います。

色々な選択肢があると思います。

会社が大きいから、地元だから、人の紹介だから

と色々と基準はあるかと思いますが、

やはり、最終的には「人」だと私は思います。

「この人になら任せてもいいな」

と思える人に依頼することです。

必ずしも、大きい会社だから良い、小さい会社だから融通が利いて良い

というわけではありません。

情報は流通されているのである程度の物件は共有できる不動産業界。

でもやはり情報はできる人のところに集まってきます。

そんな営業マンを見極めるために、すべてお任せではなく、

こういった裏事情があるということを頭に入れて、

依頼する不動産業者を選ぶと良いと思います。

 
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