住宅建設業界売上高ランキング2025

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上場住宅メーカー29社（※）について、2025年6月期までの最新の売上高および前年の売上高、前年との比較(％)を紹介します。2024年4月からの時間外労働の上限規制のほか、2025年4月からは法改正による業務量の増加やコスト増、さらには猛暑対策など、住宅建設業界は様々な課題に直面しています。その中でも高い売上高や成長率を記録している企業を紹介します。（リビンマガジンBiz編集部）

※注＝編集部基準

集計方法

2025年6月期までの有価証券報告書もしくは決算資料を元に集計

1位は大和ハウス工業　2位積水ハウスは前年比131％の急成長

1位は大和ハウス工業で、売上高は5兆4,348億1,900万円でした。前年比104％と堅調な成長率で、トップ企業として安定した業績を残しています。

同社の最近の動きとしては、年々苛烈化する猛暑に対応し、従業員が安全かつ快適に労働できるよう、熱中症対策の部材やシステムに力を入れています。その例としては、建築部材「低放射折板（せっぱん）屋根」があります。また、物流施設への空調設備導入の支援システム「（仮称）D’s Cool Logi(ディ―ズ クール ロジ)」を2025年12月より導入予定です。

猛暑は作業員に対するリスクですが、対応する技術を開発すれば新たなビジネスチャンスともなります。大手企業のこうした技術開発は日本全体にとっても有益なニュースと言えるでしょう。

2位は積水ハウスで、売上高は4兆585億8,300万円でした。前年比は131％と、住宅建築会社トップ10の中でも突出した成長率を記録しています。その理由は、2024年4月にアメリカの大手住宅会社M.D.C. Holdings, Inc.を買収、子会社化したことなどが挙げられます。大手住宅メーカーは、国内市場の先細りから海外に積極的に進出するケースがみられますが、同社はその代表例と言えます。

3位は住友林業で、売上高は2兆536億5,000万円でした。前年比は118％で、2兆円を突破しました。こちらもアメリカで積極的に事業を展開しています。

もっとも、２位の積水ハウス、3位の住友林業は、米国戸建住宅事業の市況悪化により業績見通しを下方修正しており、海外頼りの戦略故の影響もみられます。

前年比で成長率が最も高かったのはRobot Homeです。売上高は131億5,700万円で、前年比153％という成長率でした。同社では2018年に顧客の融資資料の改ざん事件が発覚しましたが、不祥事のダメージを乗り越え、DX化の推進や賃貸経営プラットフォーム「robot home」のアップデートによる流通の拡大などで売上を伸ばしています。

ランキング全体を俯瞰すると、29社中22社が前年よりも売上高を伸ばしており、先を見据えた経営戦略が、一定の成果をあげている住宅メーカーも多いことが窺えます。ただし、アメリカの戸建住宅事業の市況悪化のように、海外に主力を移すのはリスクもあるため、先の読めない状況は続きそうです。