不動産業界売上高ランキング2025

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上場不動産会社114社（※）について、2025年6月期までの売上高および前年の売上高、前年との比較を集計しました。財閥系や電鉄系などの大手企業が上位を占める構図は変わらないものの、若手企業の飛躍もあり、新しい流れを感じさせるランキングとなりました。物価上昇や都心の地価の高騰、高齢化による人手不足など、大きく変化する日本の状況を追い風に業績を伸ばした企業を紹介します。（リビンマガジンBiz編集部）

 ※注＝編集部基準

 集計方法

• 2025年6月期までの有価証券報告書もしくは決算資料を元に集計

1位は三井不動産　急成長のオープンハウスＧが3位

1位は三井不動産で、売上高は2兆6,253億6,300万円でした。前年比110％と高い成長率を記録し、不動産業界唯一の売上高2兆円企業としてトップを独走しています。

 三井不動産の最近のニュースとしては、「三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY北館建替え計画」が10月31日にオープン予定、名古屋初の本格的アウトレットモール「三井アウトレットパーク 岡崎」が11月4日にオープン予定など、活発に事業を展開しています。

 2位は三菱地所で、売上高は1兆5,798億1,200万円となりました。前年比は105％と、1位の三井不動産にやや水をあけられた格好ですが、堅実な経営ぶりに信頼を寄せる顧客は多いと考えられます。

3位はオープンハウスグループで、売上高は1兆2,958億6,200万円でした。平成9年創業、まだ創業30周年にも満たない企業が、不動産デベロッパー大手5社を押しのけてトップ3に入りました。前年比は113％と、大手5社よりも高い成長率を記録しています。

4位は東急不動産ホールディングスで、売上高は1兆1,503億100万円、前年比104％でした。5位は住友不動産で、売上高1兆142億3,900万円、前年比105％となり、上位5社までが売上高1兆円を超える結果となりました。

売上高上位企業はいずれも安定した業績を上げていますが、3位に入ったオープンハウスＧの勢いは顕著で、このまま行けばあと数年で2位の三菱地所を捉える可能性があります。もっとも、業界トップの三井不動産の力強さは際立っており、王者の地位が揺らぐことは考えにくいでしょう。

前年比で成長率が最も高かったのはグッドコムアセットです。売上高は597億5,300万円で、前年の売上高は221億9,000万円だったことから、前年比269％という急激な伸びを記録しています。同社は東京23区を中心に、自社ブランド「GENOVIA（ジェノヴィア）」シリーズの投資用新築マンションの企画・開発・販売及び管理を手掛けています。首都圏の投資用新築マンションは需要が高まっており、この流れに乗って業績を拡大しています。

ランキング全体を俯瞰すると、114社中98社が前年よりも売上高を伸ばしており、上場不動産業界では景気が上向いていることが窺えます。もっとも、売上高が伸びる一方、物価の高騰や人件費の高騰により支出も増えているため、本当に業績好調と言えるかは慎重に各企業の実態を見極める必要があるでしょう。