住宅建設業界　役員報酬ランキング

上場住宅建設企業32社（※）のうち、役員報酬が1億円以上の役員を集計、金額が高い順にランキングしました。役員報酬の額や支給する人数の多さは、業績好調さの裏付けになります。国内の少子高齢化による住宅需要減少で海外に積極的に進出する住宅メーカーが多い中、その状況を追い風にして利益を上げ、役員報酬をアップしている企業を中心にご紹介します。（リビンマガジンBiz編集部）

※注＝編集部基準

集計方法

• 2024年2月期までの最新の有価証券報告書を元に集計

1位はオープンハウスG　役員報酬3億円以上は6人

1位はオープンハウスグループの荒井正昭代表取締役社長で、連結報酬等の総額は5億7,300万円となっています。同社は1997年に新築戸建住宅の売買仲介会社として創業、現在は東京部を中心に、製販一体型の戸建住宅事業を行っています。

同社は不動産会社としても役員報酬1位となっており、コロナ禍の巣ごもり需要に対し、消費者のニーズに即した住宅を提供したことから業績を伸ばしました。オープンハウスGからは他にも、鎌田和彦取締役副社長(2億6,900万円)、若旅孝太郎専務取締役(2億1,700万円)の合計3名が1億円以上の役員報酬を獲得しており、コロナ後も、住宅建設業界をリードしていきそうな勢いが感じられます。

2位はタマホームの玉木伸弥代表取締役社長で、役員報酬の総額は5億万円です。同社もまた、1998年に創業した平成生まれの若き住宅メーカーで、ロードサイド型の独立型店舗での出店を中心に全国展開を行っています。

平成前期(9～10年)創業の企業2社のトップが役員報酬ランキングで1位と2位を獲得したことは、両社の勢いを表わすとともに、時代の変化を感じさせます。コロナ禍やDX化、少子高齢化で社会全体が大きく変容する中、この流れに対応し利益を上げるには、若い企業の柔軟さが適していたことを物語るようです。

3位は飯田グループホールディングスの森和彦代表取締役で、報酬の総額は3億6,100万円でした。同社は2013年に一建設、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホームの6社が経営統合して誕生した会社で、主に戸建住宅やマンションの分譲事業、請負工事などを行っています。

飯田GHは複数企業が統合した関係から、多くの役員が代表取締役として1億円以上を受け取っており、合計7名の役員が名を連ねます。7名のうち、飯田GHとしての報酬1億円以上の役員は2名で、 他5名は傘下の企業の代表取締役として報酬を得ています。

調査した32社のうち、1億円以上の報酬を役員に支払っている会社は11社で、報酬1億円以上の役員は合計29人でした。

1億円以上の報酬を受け取る役員が複数いる企業としては、飯田GHが8名、ついで積水ハウスが4名、その次に、オープンハウスG、タマホーム、大和ハウス工業の3社が3名と続きます。売上高業界第1位の大和ハウス工業と第2位の積水ハウスが5位以下となる、やや意外なランキングとなりました。