不動産業界 時価総額ランキング 2024

上場不動産会社123社（※）について、2024年4月3日時点の時価総額を高い順にランキングしました。時価総額とは株価に発行済株式数をかけた数値で、企業の価値や規模を評価する重要な指標とされています。2024年初から日経平均株価が急上昇し、たびたびニュースになっていますが、不動産業種で特に注目され、時価総額が高騰している企業についてまとめました。（リビンマガジンBiz編集部）

※＝編集部基準

画像=PIXTA

集計方法

• 2023年4月3日時点の時価総額、及び参考として2023年12月期の売上高を集計
• タスキホールディングスは2024年4月1日にタスキと新日本建物の経営統合により、共同持株会社として設立・上場したため、売上高は集計せず

三井不動産が1位　時価総額1兆円超えは4社

1位は三井不動産で、4月3日時点の時価総額は4兆4,689億800万円でした。昨年の2月1日時点の時価総額が2兆3,111億8,600万円でしたので、前年比193％と二倍近くアップしています。

同社はコロナ禍の2021年に東京ドームを買収するなど強気な姿勢で存在感をアピールし、業績好調で2月9日には2024年3月期の1株当たり配当予想を2円上方修正するなど、強い安定性で多くの投資家の信頼を得ています。

三井不動産といえば、2024年4月4日、東京都中央区にて建設中の2棟のタワーマンション「ザ　豊海タワー　マリン&スカイ」に使用されているコンクリートが強度不足のおそれがあるため、販売開始を延期したと報じられました。とはいえ、投資家から見て大きな懸念材料とはなっておらず、株価が大きく下落する事態にはなっていないようです。

2位は三菱地所で、時価総額は3兆6,159億6,900万円です。昨年の調査では2兆2,049億4,000万円でしたので、前年比164％と、時価総額は上昇しているものの1位企業と比べると小幅な伸び率となりました。

三菱地所はコロナ前までは時価総額ランキング1位でしたが、コロナ禍以降、時価総額では三井不動産に水をあけられた格好になっています。もっとも、業績は好調で、2024年3月期第 3四半期の決算ハイライトにおいて、全体の営業利益を30億円上方修正したと発表しています。

3位は住友不動産で、時価総額は2兆6,075億2,300万円です。昨年調査では1兆4,877億6,900万円でしたので、前年比175％と、不動産大手の中でもこの一年で投資家に高く評価された企業の一社です。

同社は2024年3月期第 3四半期の決算短信で、売上高、営業利益、経常利益、純利益すべてが前年同期を上回る増収増益となり、また発展著しいインドのムンバイにて、総延床100万㎡を超える「超高層複合都市開発用地」を同社単独で取得するなど、投資家からの熱い注目を集めています。

4位はヒューリックで、時価総額は1兆1,468億7,000万円です。昨年調査では8,178億2,200万円でしたので、前年比140％と、大台の1兆円企業となりました。同社は都内を中心に多数の駅近ビルを所有しており、2023年12月期決算も全段階利益において過去最高を記録したと発表しています。

不動産業界では、この4社までが時価総額1兆円を超える結果となりました。不動産大手は好調に株価を上げている企業が多く、安定した企業を好む投資家がさらに投資する好循環になっています。