不動産会社　株価上昇騰落率ランキング【2023年版】

上場不動産企業127社（※）につき、2023年初めの大発会および同年大納会の株価を比較、上昇騰落率をランキングしました。コロナ禍が明けて円安・物価高が進む一方、少子高齢化の影響も顕著になり、不動産会社の様相も大きく様変わりしています。この1年で投資家からの評判が特に良かった不動産企業を俯瞰します。（リビンマガジンBiz編集部）

※注＝編集部基準

画像=PIXTA

集計方法

• 2023年1月4日（大発会）の終値と2021年12月29日（大納会）の終値を比較
• 大発会・大納会に取引がなかった企業は、取引があった直近の日の終値を比較
• リアルゲイト（2023年6月22日IPO）、エリッツホールディングス（2023年6月27日IPO）、ミガロホールディングス（2023年10月2日設立同日IPO、旧プロパティエージェント）の3社は、取引初日の終値と比較
• 2023年中に株式分割を行った会社は、株式分割後と比較できるよう調整した値を「株式分割調整後終値」の欄に掲載

2023年、1年で上昇騰落率100％以上は8社　1位はクリアル

1位はクリアルで、2023年初時点で2,125円だった株価が、大納会時点では5,150円と、上昇騰落率は142.4%となりました。クリアルは資産運用プラットフォーム事業を手掛けており、不動産への投資から資金調達、仕入れや運用、売却と言った一連の流れのDX化を推進しています。

元々は機関投資家などのプロ向け不動産資産運用サービスを運営していましたが、一般個人もスマホひとつで手軽に投資可能なクラウドファンディングを主力にしています。政府をあげて貯蓄から投資へのシフトが推奨されている中、投資家からは事業内容の将来性を高く買われたと推測されます。

2位はグッドライフカンパニーで、2023年大発会時点で650円だった株価が、大納会時点で1,541円、騰落率は137.1%でした。グッドライフカンパニーは福岡市に本社を置く不動産会社で、不動産投資家向けに投資用新築賃貸マンションの用地仕入れ、企画から設計管理など、運営の全てを自社で行っています。そのため、不動産投資家は同社への相談のみでスムーズな物件取得が可能です。

3位はレーサムで、大発会時点で1,370円だった株価が、大納会時点で3,205円まで上昇しました。騰落率は133.9%でした。レーサムは自社で不動産を所有し、用途変更や大規模改修、テナント誘致等によって資産価値を高め、販売する「資産価値創造事業」を行っています。他の特色としては、香港のファンドがTOBで株式の過半数を取得しており、香港資本の日本における不動産投資の足場となっています。

2023年の調査では、「貯蓄から投資へ」の流れを受けて、不動産投資家が気軽に投資できる仕組みを提供する企業が上位を占めました。2023年大発会時点よりも大納会のほうが株価が上昇した会社は127社中84社で、不動産会社全体の株価の平均は一年で約17％上昇しています。