不動産関連サービス業 売上成長率ランキング 2023年

上場している不動産関連のサービス企業26社（※）について、2023年4月期時点までの売上成長率をランキングしました。26社中18社がプラス成長となり、コロナ禍から抜け出して成長路線に転じる企業が多くなりましたが、その成長ぶりにはバラツキが見られます。ランキングも昨年度の調査からトップ企業が変わる結果になりました。（リビンマガジンBiz編集部）

※：編集部基準

画像=写真AC

集計方法

• 2022年5月期から2023年4月期までに公表された企業の有価証券報告書より集計
• 連結発表の企業は、連結数値で集計
• 前年の売上と比較し、成長率を％（パーセント）にて表記

売上成長率1位は昨年３位のイントラスト　120％以上は４社

1位は売上高ランキング16位のイントラストで、売上高は64億9,100万円、前年の49億4,300万円に比べ売上成長率は131％と大きく売上を伸ばしました。イントラストは家賃債務保証や医療費用保証といった保証事業を行っています。消費者に保証人が見つからなくとも、同社が保証料と引き換えに連帯保証人になってくれるので、賃貸住宅に入居したり、医療サービスを受けたりすることができます。

同社は2022年の同様の調査でも3位にランクインしている売上成長率の優良企業です。2020年の民法改正により、ローンに連帯保証人をつけることに対する法的制限が厳しくなっており、イントラストのサービスはこうした法改正を追い風にして順調に売り上げを伸ばしていると考えられます。

参考サイト

「不動産関連サービス業 売上成長率ランキング 2022年4月集計」

2位は売上高ランキング22位のプロパティデータバンクで、売上高は28億3,200万円で、前年の22億4,900万円に比べ、売上成長率は126％でした。プロパティデータバンクは不動産管理クラウドシステム「@Property」を運営しています。営業や経理、企画、施設管理など不動産管理に関するあらゆる業務をひとつのシステムで管理・連携でき、不動産管理のDX化を促進するツールです。

３位は売上高ランキング6位のじげんで、売上高は187億900万円と、前年の152億7,200万円から123%のアップとなりました。じげんは不動産賃貸住宅情報サービス「賃貸スモッカ」や、海外不動産情報サイト「セカイプロパティ」などを手掛けています。近年は美容や介護、不動産など専門分野特化型の求人情報サービスにも力を入れています。

4位は売上高ランキング12位のジェイリースで、売上高は109億6,000万円と、前年の91億6,200万円から120%増加しています。ジェイリースは1位のイントラストと同じく保証事業を手掛けていますが、店舗やオフィスなどの事業用物件の賃料保証がメインとなっています。

100％を超える売上成長率を記録した会社は26社中18社となり、特に家賃保証会社の安定的な成長が目立つ結果となりました。他方で、不動産関連ソフトウェアや不動産メディアといった不動産テック企業の順位の入れ替わりは激しく、先行きが読めない世の中で各社がより良いサービス提供を目指してしのぎを削っている様子がわかります。