不動産会社　上昇騰落率ランキング【2021年版】

不動産会社　上昇騰落率ランキング【2021年版】

上場している不動産会社115社（※）について、2021年初めの大発会、および大納会の株価を比較し、上昇騰落率をランキング形式でご紹介します。コロナ禍も2年目に突入し、先が読めない中、首都圏で消費者に快適な住宅を提供する会社が株価を上昇させました。投資家からの評価を特に上げた不動産会社を紹介します。（リビンマガジンBiz編集部）

※注＝編集部基準

集計方法
・2021年1月4日（大発会）の終値と2021年12月30日（大納会）の終値を比較
・大発会・大納会に取引がなかった企業は、取引があった直近の日の終値を比較
・2021年中に株式分割を行った会社は、株式分割後と比較できるよう調整した値を「株式分割調整後終値」の欄に掲載

画像＝写真AC

2021年、1年で上昇騰落率100％超は3社　1位はケイアイスター不動産

1位はケイアイスター不動産で、2021年初の大発会の時点で2,483円だった株価が、大納会時点では8,930円と、上昇騰落率は259.65%を記録しました。ケイアイスター不動産は主に分譲住宅事業を手掛け、「高品質だけど低価格なデザイン住宅」の提供を目的に、土地の仕入れからアフターサービスまでを自社で行う社内責任一貫体制を推進しています。

同社は北関東で人気のローコスト住宅大手で、コロナ禍により快適な住宅を求めるニーズに合致、業績を順調に伸ばしました。その結果、多くの投資家に注目され、中長期的に株を所持している投資家は、2倍3倍に値上がりする結果となりました。まだまだ快進撃は続きそうな気配です。

2位はＬＡホールディングスで、2021年大発会時点で810円だった株価が、大納会時点で2,008円、騰落率にして147.9%と急騰しています。ＬＡHDは2020年7月にラ・アトレから単独株式移転により設立された持株会社で、収益不動産や新築分譲マンションの開発、中古マンションの改装や販売を行っています。

環境意識の高まりにより中古マンションが見直される中、1戸1億円以上の「プレミアムリノベーションマンション」シリーズなどを提供し、業績は好調です。都心マンションの価格が高騰する中で、投資家の注目を集め、大きく株価が上昇する結果となりました。

3位はアグレ都市デザインで、2021年大発会時点で650円だった株価が、大納会時点で1,568円まで上昇、騰落率として141.23%となりました。アグレ都市デザインは首都圏をターゲットエリアとして、戸建用地の取得からアフターメンテナンスまで自社で一貫して行う「アグレシオ・シリーズ」を中心に戸建住宅を提供しています。

デザイン性の高い中価格帯の住宅を販売しており、業績好調により株価が大きく上昇しました。同社もまた、コロナ禍の巣ごもり需要に後押しされた企業の一つと言えます。

昨年2020年の上昇騰落率ランキングでは、不動産テック企業が躍進する結果となりましたが、2021年の調査では、快適な住宅を提供する不動産会社が上位を占めました。コロナ禍の長期化が見込まれる中、投資家も中長期を見据えた投資行動をとるようになってきているのかもしれません。

参考サイト
「不動産会社　上昇騰落率ランキング【2020年版】」

2020年大発会よりも大納会のほうが株価が上がった企業は、115社中67社となり、1年間の不動産会社全体の株価の平均は約10％上昇しました。コロナ禍により、世界銀行の経済対策や金融緩和が続く中で、株価は昨年よりも持ち直す企業が増えてきているようです。

その一方で、コロナ禍の長期化が各企業に与えた影響が顕在化してきており、不動産大手の東急不動産ホールディングスが東急ハンズをカインズに売却するなど、不動産業界にも大きな変化が訪れつつあります。